「Wの悲劇」澤井信一郎監督が死去
2021年9月6日 13:00
澤井信一郎監督が9月3日、多臓器不全のため都内の病院で死去したことが報じられた。83歳だった。
1961年、東京外国語大学ドイツ語科を卒業。同年、東映に入社しマキノ雅弘監督に師事し、「残侠伝」シリーズの助監督を経験、鈴木則文監督「トラック野郎」シリーズの共同脚本なども手掛けた。81年に松田聖子主演の「野菊の墓」で監督デビュー。
荒井晴彦とともに共同脚本を担当した84年の監督作「Wの悲劇」が毎日映画コンクール最高賞を受賞、また第9回日本アカデミー賞では「早春物語」と合わせて最優秀監督賞を受賞し、三田佳子に助演女優賞をもたらした。
良質な娯楽作、旬の若手女優を起用とした恋愛映画で注目を集め、和田誠監督の「麻雀放浪記」(84)の脚本にも参加。代表作に「めぞん一刻」(86)、「恋人たちの時刻」(87)、「ラブ・ストーリーを君に」(88)、「わが愛の譜 滝廉太郎物語」(93)、「日本一短い『母』への手紙」(95)など。2007年の「蒼き狼 地果て海尽きるまで」が最後の監督作となった。