リュディビーヌ・サニエ×「愛しき人生のつくりかた」監督 「ローラとふたりの兄」12月10日公開
2021年6月16日 12:00
リュディビーヌ・サニエ(「8人の女たち」「スイミング・プール」)が主演し、ジャン=ポール・ルーブ監督(「愛しき人生のつくりかた」)がメガホンをとる「LOLA&HER BROTHERS(英題)」が、「ローラとふたりの兄」の邦題で、12月10日に公開されることが決定。家族をめぐる問題にぶつかりながらも、ひたむきに日常を生きる個性豊かな3兄妹を通し、人生のままならなさ、家族とともにあるあたたかさを描き出す。
フランス西部の都市アングレームで暮らす弁護士のローラには、眼鏡士のブノワ、解体業者のピエールという、ちょっと変わったふたりの兄がいる。3兄妹は、死別した両親の墓参りで、毎月1度は集まることが習慣になっている。ある日、ブノワの3度目の結婚式で、大遅刻してきたピエールが失礼なスピーチを披露し、喧嘩が勃発する。
やがて3人の日常に、それぞれの変化が訪れる。離婚調停の依頼人であるゾエールと恋をするが、病院である事実を告げられるローラ。深刻な仕事のトラブルを抱えるピエール。心の準備なしで、父親になることになったブノワ。様々な困難に見舞われながらも、3人は固い絆で結ばれていた。
フランソワ・オゾン監督のミューズとして輝かしいキャリアを築き、是枝裕和監督作「真実」にも出演したサニエが、兄たちを母のように世話する常識人の末っ子・ローラを演じる。小悪魔的で、ファム・ファタルの役のイメージが強い彼女だが、本作では新たな魅力を発揮している。職人気質で不器用な次男ピエール役には、「ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走」のジョゼ・ガルシア。さらに「セラヴィ!」など俳優としても活躍するルーブ監督が、ロマンティストで神経質な長男ブノワ役を務めている。そのほかラムジー・ベディアがローラの恋人ゾエール、ポーリーヌ・クレマンがブノワの妻に扮した。
ルーブ監督は、フランスで観客動員数100万人のヒットを記録した前作「愛しき人生のつくりかた」で知られる、作家であり脚本家のダビド・フェンキノスと再タッグ。人々の日常を精妙かつユーモラスに描き、見る者の共感を誘うと同時に、“プチ・ブル”(中産階級)たちの生活を捉えるカメラは、明確に階層化された皮肉なフランス社会の明暗を浮かび上がらせる。一貫して“実生活”を見つめ続けるルーブ監督らしさに満ちた、奥行きのある味わい深い人生ドラマが展開する。
「ローラとふたりの兄」は、12月10日から東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国で順次公開。