西島秀俊の横顔に秘められた物語とは……? 濱口竜介監督作「ドライブ・マイ・カー」場面写真初披露
2021年5月1日 12:00
村上氏の短編小説集「女のいない男たち」(文春文庫刊)に所収された「ドライブ・マイ・カー」に惚れこみ、映画化を熱望したのは、世界で注目を集める気鋭・濱口監督。商業映画デビュー作「寝ても覚めても」が第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出され、短編集「偶然と想像」が第71回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞、さらには脚本を手掛けた黒沢清監督作「スパイの妻 劇場版」が第77回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)に輝くなど、国際的な舞台で快進撃を続けている。数々の作品のなかで、圧倒的な脚本力と豊かな映画表現を通して、人間の多面性や複雑な感情をあぶり出してきた。
本作は、妻を失った男の喪失と希望を描いた物語。舞台俳優であり演出家の家福悠介(西島)は、脚本家の妻・音(霧島れいか)と満ち足りた日々を送っていた。しかし、音はある秘密を残したまま、突然この世を去る。2年後、広島の演劇祭で演出を任されることになり、愛車で向かった家福は、寡黙な専属ドライバー・みさき(三浦透子)と出会う。喪失感と“打ち明けられることのなかった秘密”に苛まれてきた家福は、みさきと過ごすなかで、これまで目を背けていたあることに気付かされていく。
場面写真は、遠くを見つめる表情が印象的な家福の姿、家福の専属ドライバーとなったみさきが彼を後部座席に乗せ運転している車中の光景をとらえたもの。感情を抑えた表情のみさきと、最愛の妻から“打ち明けられることのなかった秘密”に苛まれてきた家福の横顔が映し出されている。
「ドライブ・マイ・カー」は、今夏に東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。