佐藤健「人生をかけて全うした」剣心役に感慨　10年の歴史をともに駆け抜けた大友啓史監督に感謝

第1作「るろうに剣心」の撮影が開始された2011年から、今年で10年。公開延期などの苦難を乗り越え、本日遂に封切りとなった。イベント冒頭で佐藤は、「この2部作のクランクアップを迎えた日が、ちょうど2年前の4月23日だったそうなんです。いろんな意味で、今日という1日は忘れられない日になりそうだなと思っております。非常に感慨深いです。我々にとって大切な作品を、遂に皆様に見て頂ける日が来たかと思うと、非常に幸せな気持ちです」と、思いの丈を述べた。

和月伸宏氏の人気漫画を実写映画化した「るろうに剣心」シリーズ。過去3作に続く“最終章”では、原作とアニメにおける「人誅編」と「追憶編」をもとにした物語を紡ぐ。「るろうに剣心　最終章　The Final」では中国大陸の裏社会を牛耳る謎の武器商人・縁（新田）との死闘を描き、剣心の“十字傷”の秘密を明かす「るろうに剣心　最終章　The Beginning」（6月4日公開）へと続いていく。

大規模なセットを建設し、全国12都道府県の43カ所以上でロケ撮影が敢行されるなど、規格外のスケールやアクションが見どころの本作。佐藤は「やはり大友組はクラインクイン初日からサプライズというか、スケールの大きさで我々を圧倒してくれて。自然とテンションもモチベーションもあがって、『やってやろう』と思うんです。大友監督はその気にさせるのがうまいんですね。まんまとその気になった我々は、人生をかけてこの役を全うしようと頑張るわけです」と、大友監督との信頼関係を語る。

続けて佐藤は「（大友監督は）その努力や細かい心理描写までちゃんと編集で汲み取ってくれて、映してくれる。本当に役者冥利に尽きる、こんなに幸せな現場は他にないなと日々感じております。そのなかでも最高の映画ができあがったんじゃないかなと思います。いつも言えないんですけど、大友監督、ありがとうございます」と感謝。大友監督は「こちらこそ、ありがとうございます」と返し、「褒められ慣れてないです」と照れ臭そうな様子だった。

10年の歴史を誇るシリーズとあって、キャスト同士の絆も深く、撮影の裏話がいくつも飛び出した。蒼井は誕生日に佐藤がお店を予約してくれたというエピソードを披露。「佐藤さんが電話で『個室ありますか？』と聞いていたんですが、あんまり会話がうまくいってなくて。いざその場所に着いたら、サイトの住所と電話番号が間違っていて、寺だったんです（笑）。お店の予約をしていると思っていたら、祈祷を予約していたんです」と明かす。佐藤は「思い出した！　すみません……」と、照れ笑いを浮かべていた。

この日は「るろうに剣心　京都大火編」「るろうに剣心　伝説の最期編」で剣心と敵対する志々雄真実を演じた藤原竜也からのコメント映像が披露された。藤原は「佐藤健くんと大友監督、またまた大変な、本当に苦労したであろう撮影を乗り越えて、公開までこぎつけたこと、本当におめでとうございます」と祝福。佐藤は「光栄ですね。本当に（志々雄は）強かったので。今回の戦いもすごいんですが、藤原さんとのシーンも忘れられないですね」と思いを馳せる。最後に佐藤は、「ここ1、2年くらいよく思うのは、『やはり人は日々の暮らしに光が見出せないと生きていけないものなんだな』ということです。この映画が皆様の希望の光になれば幸いです」と締めくくり、“最終章”の始まりを告げた。