樋口尚文、大島渚監督を語り尽くす! 大林宣彦監督と同様に「“別の宇宙”にいる存在」
2021年4月8日 14:00

“映画を語る”をテーマとしたWEB番組「活弁シネマ倶楽部」にて、「大島渚監督特集」が配信された。ゲストとして登場するのは、映画評論家であり、映画監督としても活躍する樋口尚文氏。同番組には3度目の出演となり、看板MC・森直人氏を対談相手に指名し、トークを繰り広げている。
番組冒頭「身が引き締まる」「鼻血が出そう」と苦笑交じりに言葉を交わす樋口氏と森氏。通常回とは異なる雰囲気から、いかに大島渚という存在が巨大であるかがわかるだろう。今回の番組は、樋口氏が編著を担当した「大島渚全映画秘蔵資料集成」(国書刊行会)の刊行を記念して企画されたもの。なお、現在東京・シネマヴェーラ渋谷では、大島監督の特集上映「オーシマ、モン・アムール」が開催されている。

森氏は、樋口氏に対して「大島渚と大林宣彦という存在は、お父さんとお母さんみたいな存在なのでは?」と言葉を投げかける。すると、樋口氏は「僕らの父世代……つまり、大島さんや大林さんの世代では、“大島渚”という存在と“大林宣彦”という存在を、同時に肯定するどころか、『両方好きだなんてもってのほか』という空気がありますよね」と切り返した。
樋口氏「でも彼らは“別の宇宙”にいる存在というか。だからあの世代の評論家からすると、『大島と大林がいっぺんに好きって、君の頭は大丈夫か?』となるような存在です。しかし僕らの世代では、ごく自然にこの2人の作品をいいと思った。『まったく“別の宇宙”にいるけど良いんだ』と」

今年は、大島監督の代表作「戦場のメリークリスマス」(1983)が“4K修復版”として4月16日、「愛のコリーダ」(76)の“修復版”が4月30日から全国順次公開されることになっている。樋口氏は改めて「戦場のメリークリスマス」を鑑賞したようで「コンセプチュアルなアートフィルムなんだよなということが、いよいよ浮き彫りになってきた気がします」と説明。「当時は大島映画にしては通俗性もあって見やすい映画だと思っていましたが、そんなものでは到底ないですよね。相当にワガママで、偏っている、均整が取れていない映画だと思います」と語っている。
話題は「一番成功している大島作品」へ。樋口氏があげたのは、実際に起きたの事件にヒントを得た「少年」だった。同作について、森が「印象としては端正な作品」と評すると、樋口氏は続けて「無駄がないだけであって、非常に考えさせられる“飛躍”がありますよね」と続けた。両者はともに「少年」の“DNA”が「現在の多くの映画に受け継がれている」と述べている。
「活弁シネマ倶楽部」(「大島渚監督特集」)は、YouTube(https://youtu.be/OsmgB62iCuI)で配信中。
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