「旅立つ息子へ」「ビューティフル・ボーイ」 実話を基にした父子の絆を描く映画
2021年3月27日 09:00
自閉症スペクトラム症の息子と父親の絆を描く「旅立つ息子へ」が、3月26日から公開された。脚本を手がけたダナ・イディシスの自閉症の弟と、彼女の父親をモデルに描かれた本作の公開にちなみ、実話を基に父子の関係を描く作品を紹介する。
■「旅立つ息子へ」(公開中)
「ブロークン・ウィング」「僕の心の奥の文法」で東京国際映画祭のグランプリを2度受賞しているイスラエルの名匠ニル・ベルグマンが、息子のために人生をささげる父親と、そんな父の愛情を受け止める青年の絆を、実話を基に描いた人間ドラマ。
息子ウリの世話をするため、売れっ子グラフィックデザイナーというキャリアを捨て、田舎町でのんびりと暮らしているアハロン。別居中の妻タマラは息子の将来を心配し、全寮制の特別支援施設への入所を決める。定収入がないアハロンは養育不適合と判断され、行政の決定に従うしかなかった。しかし入所当日、大好きな父との別れにパニックを起こす息子の姿を目の当たりにしたアハロンは、自分が息子を守ることを決意し、2人の逃避行がはじまる。
■「ビューティフル・ボーイ」
「フォックスキャッチャー」のスティーブ・カレルと「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメが父子を演じ、父デビッドとドラッグ依存症だった息子ニックがそれぞれの視点から描いた2冊のノンフィクションを原作に、家族の愛と再生を描く。ドラッグにより、身も心も崩れていく息子を支える父の深い愛に心が打たれる。
■「幸せのちから」
医療機器事業の失敗によりホームレスとなったが、超難関の株トレーダー養成コースを経て一流証券会社に就職し、アメリカンドリームを成し遂げたクリス・ガードナーの半生と彼を支えた息子との心の交流を描く人間ドラマ。
ウィル・スミスがガードナーを演じ、息子役にはスミスの息子ジェイデン・スミスが抜てきされた。
息子である事を隠し、ゲーム好きの父親とオンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIV」をプレイする日々をつづり、ドラマや書籍にもなった人気ブログを坂口健太郎&吉田鋼太郎の主演で映画化。
仕事一筋だった父が、ある日突然会社を辞めて家に帰ってきた。1日中ぼんやりとテレビを見ている父の姿を母と妹は遠巻きにながめていたが、何を考えているのかまったくわからなかった父の本音が知りたい欲求にかられたアキオは、オンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIV」の世界に父を導き、自分は正体を隠し、父とともにゲーム世界で冒険に出ることを思いつく。