【第44回日本アカデミー賞】「Fukushima 50」渡辺謙、初の最優秀助演男優賞!「福島の力をトロフィーにこめて頂けた」
2021年3月19日 21:57
第44回日本アカデミー賞の授賞式が3月19日、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われ、「Fukushima 50」の渡辺謙が最優秀助演男優賞を受賞した。これまで同部門には4度選出され、初の最優秀賞受賞となった。
本作は、若松節朗監督(「空母いぶき」)が、ジャーナリスト・門田隆将氏が90人以上の関係者への取材をもとにつづったノンフィクション本「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」を映画化したもの。2011年に発生した東日本大震災、福島第一原発事故を題材に、事故対応のため死を覚悟して発電所に残り、世界中のメディアから“Fukushima 50”と呼ばれた福島出身の作業員たちの真実を描き出す。
福島第一原発所長・吉田昌郎を、鬼気迫る表情で演じた渡辺。クランクイン時に「100人ぐらいエキストラの方がいらっしゃって、一言だけ言わせて頂いたんですが、いま現在でも福島で、この原発事故で苦しんでいる方もいらっしゃるし、命を落とされたこともたくさんいらっしゃる。背負いきれないとしても、僕たちはそういう思いをこの映画にぶつけていこう、という気持ちでやったので、なかなか厳しい現場ではありましたね」と振り返った。
最優秀賞発表時、自身の名前が読み上げられると、渡辺はステージへと悠然と歩を進めた。そしてプレゼンターの長澤まさみから受け取ったブロンズを見つめながら、「今年は本当に、参加することに意義があると思っていたので……」と驚きの表情を浮かべる。「先程話したように、福島の力をトロフィーにこめて頂けたんだなと思います」と語り、「福島の皆さん、とりあえず、とりましたので。どこか飾ってもらえるところに寄贈したいなと思います」と、力強くブロンズを掲げた。