役所広司からのメッセージに西川美和監督、感無量 仲野太賀は熱い“役所愛”を説く
2021年2月11日 18:30

西川美和監督の最新作「すばらしき世界」が2月11日、全国204館で封切られた。主演を務めた役所広司、仲野太賀、六角精児、北村有起哉、西川監督は、東京・新宿ピカデリーでの舞台挨拶に立った。
オリジナル脚本にこだわって作品を発表し続けてきた西川監督にとって、長編映画としては初の原作もの。直木賞作家・佐木隆三氏の小説「身分帳」を原案にしているが、映画では時代設定を現代に置き換え、一度過ちを犯し社会からつまはじきにされた男が、再出発しようともがきながら七転八倒する現実、不寛容な社会の光と影を炙り出す。

主人公の三上を演じた役所は、初タッグとなった西川監督を「なにせ美人ですからね。現場の男たちは皆、大好きです」と場内を盛り上げる。さらに「時に大丈夫かな? と思わせるところがあって、そうすると皆が監督を支えたい、頑張ろうと思わされる。それは素晴らしい才能のひとつです」と語り、ほほ笑んでみせた。
役所との念願の初共演を果たした仲野は、「役所さんの目を見ていると目の奥が寂しそうで、それが役所さんなのか三上の目なのか境目が分からなくなっていきました。写し鏡のように役に向き合われるその姿には、役との深い対話と純粋な思いやりがありました。胸が震えて、自分で制御が出来なくなることが何度もありました」と吐露。そして、「役所さんと向き合うことで、自分の中で津乃田という役がシンクロしていくのが分かる……、それは初めての経験でした。この作品でご一緒する前とこの思いは変わらず、また役所さんと共演することが僕の最大の目標です」と誓ってみせた。

また、この日は14日のバレンタインデーにちなみ、俳優陣を代表して役所が西川監督へ花束を手渡し、「感謝の言葉を述べます!」と宣言。「西川組は本当に素晴らしいチームでした。すべてのスタッフ、キャストが刺激し合いながら映画の撮影を楽しませてもらいました。たくさんの人に愛される作品に仕上げていただき、この作品に参加できたことを誇りに思い感謝しています。次、我々が西川組で働ける日がいつ来るか分かりません。たとえお呼びがかからなくても、我々はひがまずに応援しています(笑)。西川監督は日本映画の中で、なくてはならない才能だと思います。これからの作品を楽しみにしています」。
「感無量です。本当に言葉がございません……」と目頭を熱くした西川監督。「役所さんに主演していただいたのは夢のようでした。役所さんが現場におられると、静かなんだけど場が活性化して、皆が映画を作っているんだと感じ始めるんです。映画を作るのって、こんなに素晴らしいことなんだと全員で感じさせて頂きました。映画の映画らしさが、とても分かりづらくなってきて、消費されるもののような気配になりつつありますが、10年、20年、30年後に観てもらってもいい作品を作れると、映画に携わっていて良かったと、改めてそういう気持ちにさせて頂き、本当にありがとうございました」と万感の思いを伝えていた。
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