アメリカ映画史から抹消された問題作、R・フライシャー「マンディンゴ」デジタルリマスター版公開
2021年2月10日 10:00

「ミクロの決死圏」「絞殺魔」「ソイレント・グリーン」の鬼才リチャード・フライシャー監督が1975年に発表し、過激極まる内容のためアメリカ映画史から抹消された歴史大作「マンディンゴ」が、46年の時を経て、3月12日からデジタルリマスター版でリバイバル公開される。
原作はベストセラーになったカイル・オンストットの同名小説。19世紀半ばのルイジアナ州を舞台に、“奴隷牧場”を経営する父子の栄光と没落を描いた壮大な歴史スペクタクル。製作は「道」「キングコング」で知られるイタリア人の大プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティス、音楽は「アラビアのロレンス」のモーリス・ジャール。
公開されるや否や世界中でヒットを記録した本作、監督はリアリズム演出を貫いたが、全米の批評家からはあからさまな人種差別的な設定、偏見を助長する屈辱的な内容、吐き気を催すほどのおぞましい描写という指摘とともに、「最悪の映画」と酷評され、長らくアメリカ映画史からほぼ抹消されていた。また同時に、「風と共に去りぬ」への強烈なアンチテーゼとも言われていた。その後、クエンティン・タランティーノ監督が「ジャンゴ 繋がれざる者」が本作にインスピレーションを受けたと語っている。
19世紀半ば、ルイジアナ州の広大な土地を所有するマクスウェルは、そこで黒人奴隷を育てて売買していた。息子のハモンドは名家の娘、ブランチと結婚するものの彼女が処女でなかったことに怒り、黒人女エレンとの情事に溺れる。一方のブランチも奴隷と関係を結んで妊娠、権力者として振る舞っていた一家は破滅の道を歩む。
3月12日から、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
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