アンソニー・ホプキンス「自分の父をそのまま演じた」 老いの喪失と親子愛を描く「ファーザー」5月公開
2021年1月14日 12:00

83歳を迎えた名優アンソニー・ホプキンスが自身と同名、同年齢、同誕生日の認知症の父親役を演じた「The Father(原題)」が、「ファーザー」の邦題で、5月から日本公開されることが決定した。
本作は、世界30カ国以上で上演された傑作舞台を映画化。この物語を手がけたのは、ロンドンのタイムズ紙が「現代において最も心躍る劇作家」であるとうたう、フランス人のフロリアン・ゼレール。原作である舞台版は、フランス演劇界最高位のモリエール賞で脚本賞を受賞。パリ、ロンドン、ニューヨークなどで上演され、日本では19年に「Le Pere 父」のタイトルで、橋爪功、若村麻由美が出演。東京芸術劇場などで上演され、大きな話題を呼んだ。
年齢と共に誰もが経験する喪失と親子の愛を、記憶や時間が混迷していく父の視点で描き出す。迷宮に足を踏み入れていくような戸惑い、愛する家族が自身を忘れてしまう切なさ、人間味から滲み出るユーモアなど、さまざまな感情を重層的に呼び起こしながら、最後には観客を思わぬ感動の境地へと連れていく。誰にとっても他人事ではない、老いることへの不安や、関係性が変わっても逃れることのできない親子の愛情を紡ぐ感動作となっている。
ホプキンスの役どころは、長編デビュー作となったフロリアン・ゼレール監督が「当て書きをした」という人物。「自分の父をそのまま演じた」(ホプキンス)という演技は、2020年のサンダンス映画祭で初披露目され、「圧倒的実力で早くも2021年の賞レースに躍り出た。彼を凌駕する俳優はいないだろう」(ガーディアン)、「彼の代表作の1つとして歴史に残るだろう」(ハリウッド・レポーター)と絶賛評が相次ぎ、米批評家サイト「Rotten Tomatoes」では、100%の満足度(1月12日時点)を記録している。
アカデミー賞前哨戦となる賞レースでは、早くもボストン映画批評家協会賞、フロリダ映画批評家協会賞でホプキンスが主演男優賞を獲得。そのほか4つの受賞、41のノミネートを果たしている(1月12日時点)。早くも多数のメディアがホプキンスを“オスカー本命”として太鼓判を推しており、これが実現すれば、過去5回のノミネートを誇るアカデミー賞で「羊たちの沈黙」以来30年ぶりの受賞に。また、父を介護する娘に扮したオリビア・コールマン(「女王陛下のお気に入り」)の演技も高く評価されており、アカデミー賞助演女優賞が有力視されている。
「ファーザー」は、「危険な関係(1988)」のクリストファー・ハンプトンが共同脚本を務め、マーク・ゲイティス、イモージェン・プーツ、ルーファス・シーウェル、オリビア・ウィリアムズも出演。5月からTOHOシネマズシャンテほか全国公開。
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