カン・ドンウォン「新感染半島 ファイナル・ステージ」で体感した“ポスト・アポカリプス”
2020年12月27日 18:00

韓国映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」の4年後の世界を描く「新感染半島 ファイナル・ステージ」が2021年1月1日、ついに封切りを迎える。監督続投となったヨン・サンホが主演に迎えたのは、韓国の国民的スター俳優カン・ドンウォン。新年1発目の鑑賞に相応しい、圧倒的スケールの“ゾンビ×アクション”の撮影を振り返ってもらった。
「新感染 ファイナル・エクスプレス」(ヨン・サンホ監督)は、ソウルとプサンを結ぶ高速鉄道の中で突如として発生した、謎のウイルスの感染拡大によって引き起こされる恐怖と混沌を描いたサバイバルアクション。前日譚となるアニメ作品「ソウル・ステーション パンデミック」も製作され、本作で“新感染ワールド”は新たな広がりを見せている。

カンは、ヨン監督が築き上げた“新感染ワールド”について「ゾンビ映画は“B級映画”と表現されることがよくありますが、それをメジャー映画に昇華させたという点が、とても立派で素晴らしい」と称賛。「『ソウル・ステーション パンデミック』は3部作のスタート。そして『新感染半島 ファイナル・ステージ』では、その世界観を広げて“ポスト・アポカリプス”の領域にまで達し、新しいゾンビ映画のスタイルを作っているんです」と説明する。

舞台となるのは、人間を凶暴化させる謎のウイルスの感染爆発で荒廃したソウル。元軍人ジョンソク(カン・ドンウォン)がある任務を果たすため、同所に舞い戻ってくる。その任務とは、チームを組んで、3日以内に大金が積まれたトラックを回収し、半島を脱出すること。ウイルスにより凶暴化した人間たちから逃れ、順調にトラックを手に入れることに成功。しかし「631部隊」と呼ばれる民兵集団が立ちはだかり、ジョンソクは危機を迎える。
準備期間は、ロサンゼルスに滞在していたカン。ヨン監督とはリモート会議でコミュニケーションをとっていたようだ。「監督は本当に愉快な方。元々抱いていた印象より、もっと愉快で面白い方でした。すごく優しい方だと思います。最初はクールな印象だったので、イメージと違いました! 器の大きい監督だったので、たくさん話し合い、自信をもって撮影に臨めたんです。今回は、過去2作とテイストの異なる映画。“ポスト・アポカリプス”を背景とする映画に出演したいと思っていたので、良い経験となりました」と充実のタッグとなった様子だ。

また、役作りについては「とにかくシナリオに忠実に演じる」ことを徹底していたようだ。
カン「シナリオの初稿をもらった段階では、ジョンソクのキャラクターは断片的な部分があったので、その点をどんどん肉付けして立体的な人物にしていこうと考えました。観客の皆さんが、しっかりとジョンソクの後を追って映画を観ることができるようにジョンソクの心境の変化を見せられるように努力して演じました」

「マッドマックス」シリーズを想起させるような世界で繰り広げられるのは、「新感染 ファイナル・エクスプレス」から格段にスケールアップを果たしたアクションだ。ヨン監督が「特に心血を注いだシーン」と語る怒涛の高速カーチェイスに度肝を抜かれるはず。また、立て続けに展開する感染者とのバトルには「前作を超える恐るべき感染者たちを創作するために、前よりも洗練された細かいジェスチャーや振り付けを取り入れるように心掛けた」(振付師/ジョン・ヨン)という意図が込められている。
「ゾンビとの闘いが難しかった」と語るカン。「彼らが怪我をしてしまわないように、注意を払いました。ゾンビ役の方々は、ある程度、動きが決められているため防御ができない。こちらも気を付けながら演じるようにしました」と語っている。

撮影準備には1年間を費やし、2000平方メートルもの巨大セットで撮影を敢行。同セットは「実は普段からよく撮影で使われているセットです。韓国にある大きなセットのひとつで、よく大作映画を撮っています」(カン)とのこと。「最初に撮影したのが、ショッピングモールのシーンでした。“セットの空間”として特に期待していたところだったので、実際に足を踏み入れることができて良かったです」と述懐していた。
近年の韓国では「新感染 ファイナル・エクスプレス」だけでなく、「感染家族」「#生きている」「王宮の夜鬼」、ドラマ「キングダム」など、いわゆる“ゾンビもの”の製作が加速している。他国のゾンビ映画と比べ、韓国産ならではのオリジナリティを感じる点はあるのだろうか。
カン「“韓国ゾンビ”のオリジナリティは“早く早く”ですね。(動きが)とにかく早いんです。そのことによって、より一層スリルが生まれていると思っています。それと、最近ではゾンビを演じる俳優さんが多くなりました」

最後に、コロナ禍での心境について質問を投げかけた。「僕自身は映画に対する情熱、演技に対する情熱というのを、常に持っていたので、その点が変わったことはありませんでした」と明かしつつ、印象的な出来事を教えてくれた。
カン「次の作品への準備もあったので、毎日忙しく過ごしていました。だからこそ、今の状況とリンクしない部分がありました。ロックダウンは、コミュニケーションを取ることができないという状況を生み出します。そういう状況では『人はなんて孤独なんだろう』と切実に感じますよね。それと、オンラインでのインタビューをたくさん行えたということが、非常によかった点ですね! 本作がアメリカ、イギリスで公開される際は、全てオンラインでの実施。非常に実用的なインタビューができたと思っています」
「新感染半島 ファイナル・ステージ」は、21年1月1日から東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。
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