自動車事故に欲情する人々を描いた鬼才クローネンバーグの問題作 カンヌ受賞「クラッシュ」 4K無修正版公開
2020年11月6日 19:00

英国のSF作家J・G・バラードの同名小説を、カナダの鬼才デビッド・クローネンバーグ監督が映画化、自動車事故により性的興奮を覚える人々を描き、第49回カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞した「クラッシュ(1996)」の4K無修正版が2021年1月29日からリバイバル公開される。
死と隣合わせの危険な快感への目覚め、人体損壊と車体の破損への欲求と美意識、登場人物たちが後戻りできない世界に堕ちていく究極の偏愛を、クローネンバーグならではの映像世界で描ききった唯一無二の傑作。
製作から25年を迎える本作は、カンヌ受賞のほか、フランスの映画雑誌「カイエ・ドゥ・シネマ」が選ぶ1996年のランキング1位を獲得。さらにマーティン・スコセッシ監督が選ぶ1990年代のベスト映画にもランクイン、と数々の称賛を浴びた。その一方で、全編の8割以上がセックスシーンという過激な性描写が問題視され、イギリスの新聞「デイリー・メール」紙が1面で上映禁止を呼びかけるなど、賛否両論を巻き起こした。
撮影は「ロッキー・ホラーショー」(75)、「スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲」(80)のほか、「戦慄の絆」(88)、「裸のランチ」(91)以降のクローネンバーグ作品全てで撮影を手掛けたピーター・サシツキーが担当。この度の上映素材は、2019年、第76回ベネチア国際映画祭で上映され話題を集めたもの。長らく消失したと思われていた35ミリオリジナルネガがカナダで発見されたことを機に、3カ月かけてサシツキーが監修し4K化。クローネンバーグが最終承認を与えた素材だ。
主人公ジェームズ役は、スティーヴン・ソダーバーグ監督「セックスと嘘とビデオテープ」(89)で第42回カンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を受賞したジェームズ・スペイダー。夫を失いながらも新たなる欲望を開拓しようとするヘレン役に、ジェーン・カンピオン監督「ピアノ・レッスン」(93)で第66回アカデミー賞主演女優賞、第46回カンヌ国際映画祭最優秀女優賞、第51回ゴールデングローブ賞主演女優賞に輝いたホリー・ハンター。交通事故で両足が不自由になりながらもボンテージファッションに身を包み、性の境地を切り開いていく女性ガブリエルにロザンナ・アークエット。デボラ・カーラ・アンガー、イライアス・コティーズら個性豊かな俳優陣が集った。
2021年1月29日から、シネマート新宿ほか全国順次公開(R18+)。
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