千葉雄大&杉咲花、グザビエ・ドラン新作に寄せポエムを創作 「マティアス&マキシム」新ポスター
2020年9月19日 06:00

[映画.com ニュース]千葉雄大と杉咲花が、グザビエ・ドラン監督の最新作「マティアス&マキシム」に寄せたポエムを発表した。ふたりの思いが溢れる言葉を、本ポスターを手掛けたデザイナー・大島依提亜氏がビジュアル化し、新たなポスターを製作。あわせて作家の唯川恵氏、江國香織氏、漫画家の魚喃キリコ氏、倉橋トモ氏、映画監督の山戸結希監督のコメントも公開された。
「わたしはロランス」「Mommy マミー」のドラン監督が、これまで一貫して描き続けてきた「母と子」というテーマを一新し、ふたりの青年の友情と揺れる恋心に焦点を当てたラブストーリー。ともに30歳で幼なじみのマティアスとマキシムが、偶然のキスをきっかけに、秘めていた互いへの思いに目覚めるさまを繊細に描き出す。
これまで画家・ヒグチユウコ氏、詩人・最果タヒ氏、俳優の菅田将暉ら様々なクリエイター陣とのコラボレーションを重ねてきた本作。そして新たに、以前からインタビューやSNSでドラン監督に言及してきた千葉、ドラン作品にコメントを寄せてきた杉咲が紡いだポエムが披露された。

ぼくの友達について考えてみた。彼、彼女らはかけがえのないものだ。集まれば、みんないろいろ抱えていたとしても、なんだかくだらないこと一つで笑い合えて。誰かが欠けても誰かが加わっても、友情は形を変えて人生を彩ってくれる。けれども、人との関わりは、煩わしくもある。ある分野においては衝突もするし、言葉を飲み込むこともある。時には尖った言葉で手を離してしまうこともあるかもしれない。そうやって歪な形を取りながらも、やっぱり手を繋いで気付いたら一緒にいる。でも、その手を繋げなくなるかもしれないとしたら。それはとても怖いことかもしれない。それでも、窓越しに浮かべる彼の素敵な笑顔を彼に教えてあげたい。この先どうなろうが、その瞬間だけは苦しくなるほど美しかった。
苦しいことの方が多い人生だけれど、たった一瞬の喜びや幸せに私たちは生かされて、そしてそれを求めてまた生きていくのだと思う、とある人が言っていたことを思い出した。孤独の青、炎の赤、涙の青、情熱の赤、すれ違う2色の鼓動が初めて交わった時それはそれは美しく、儚い朝焼けのようだった。
さらに、唯川氏は「躊躇いと衝動、戸惑いと情熱。その狭間で心がかき乱れる。だって、それが恋だから」、江國氏は「名づけ得ない感情が、名づけられないまま息づいた、繊細で情感豊かな映画言葉の奔流も愉しい。泳いだり走ったり殴ったり殴られたり、若い人たちは大変(なのにうらやましくなった)」と感想を述べる。魚喃氏は「こんなに熱のあるキスシーンを見たことがない」と物語のカギとなるシーンに思いを馳せ、倉橋氏は「仲間達と冗談を言い合うその隣でひっそりと芽生えてしまった二人の秘密の感情、その行方にヒリヒリしました。たがが外れたように求め合うシーンは美しく、胸が熱くなります!」と心情を吐露。山戸監督は、以下のようにコメントしている。
「マティアス&マキシム」は、9月25日から東京・新宿ピカデリーほか全国で公開。
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