セックスワーカーとして生きる女たちの物語 伊藤沙莉主演「タイトル、拒絶」11月公開決定
2020年8月3日 18:00

[映画.com ニュース] 第32回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門でワールドプレミア上映された「タイトル、拒絶」が、11月13日から劇場公開されることが決定。あわせて、予告編もお披露目された。
劇団「□字ック」主宰を務める山田佳奈監督が、2013年に初演を行った自身の同盟舞台を映画化。それぞれが抱える事情に抗いながらも、力強く生きようとするセックスワーカーたちの姿を描いている。主人公・カノウを演じるのは、伊藤沙莉。カノウは、体験入店で店に来たものの、いざ行為の段階になると怖気づき、ホテルの外に助けを求めて逃げ出した女性。伊藤自身「誰にも渡したくなかった」と話すほど意欲的に臨んだ役どころだ、そのほか、癖の強いデリヘル嬢役を恒松祐里、佐津川愛美、森田想、円井わん、行平あい佳、野崎智子、大川原歩、片岡礼子らが演じ、モトーラ世理奈、池田大、田中俊介、般若、でんでんも出演している。
予告編では、カノウが真正面切って「ワタシの人生なんてクソみたいなもんだと思うんですよね」と語りかけてくる様子を活写。デリヘル嬢として過ごす女たちの日常とセンセーショナルなシーンが連続し、ラストには「私の人生にタイトルなんて、必要なんでしょうか?」という問いかけが挿入されている。
第32回東京国際映画祭では、本作の演技が評価され、東京ジェムストーン賞に輝いた伊藤。「昨年、第32回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門での正式出品以来、ようやく再び作品を沢山の方々に観ていただける機会が巡ってきました。必死に、もがきながら、なんとか生きているという点では、今こういう時代だからこそ、より多くの方々に観ていただきたいなと思います」と思いの丈を述べている。

長編デビューを飾った山田監督は「とても思い入れのある作品が遂に公開という運びとなりました。去年の冬に撮影をしたのが嘘のように状況も大きく変化し、映画の可能性を自分自身考える日々が続きましたが、私に出来ることは人の生活における不安や遣る瀬無さに、そっと手を添えることではないかと思っています」と告白。「出演者、スタッフ、すべての人が全力でクリエイティブに関わって下さった作品が公開になること、本当に誇らしく思います。セックスワーカーの彼女たちを通して、観て下さった方々が力強く踏み出せますように。そう願っております」とコメントを寄せている。
「タイトル、拒絶」は、11月13日から東京・新宿シネマカリテほか全国順次公開。
(C)DirectorsBox
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