黒沢清監督「スパイの妻」、ベネチア映画祭コンペ出品決定 蒼井優、高橋一生から喜びの声
2020年7月29日 12:00

[映画.com ニュース] 黒沢清監督の「スパイの妻」が、9月2日(現地時間)第77回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されることが決定、黒沢監督と出演の蒼井優、高橋一生が喜びのコメントを寄せた。
カンヌ、ベルリンと並び三大映画祭のひとつとして知られる同映画祭。黒沢監督にとって「大いなる幻影 Barren Illusion」(99)、「叫」(06)、蒼井も出演し「贖罪」(12)に続き4度目の出品となるが、コンペティション部門に選ばれるのは本作が初となる。
映画は、1940年が舞台。恐ろしい国家機密を偶然知ってしまった優作は、正義のためにその顛末を世に知らしめようとする。夫が反逆者と疑われる中、妻の聡子はスパイの妻と罵られようとも、愛する夫を信じ、ともに生きることを心に誓う。そんな2人の運命を太平洋戦争開戦間近の日本という時代の大きな荒波が飲み込んでいく。
本作は「寝ても覚めても」(18/カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品)の濱口竜介と、濱口と共に脚本を手掛けた5時間越えの大作「ハッピーアワー」(15)が世界の映画祭で評価された野原位が脚本を、16年のリオでのパラリンピック閉幕式で歌声を披露した長岡亮介が音楽を担当するなど日本が誇る才能が集結。また、蒼井は「斬、」(18/塚本晋也監督)以来2年ぶりのコンペ出品作となった。
コンペティション部門の映画祭公式の対象賞は、最高賞の金獅子賞、監督賞にあたる銀獅子賞、審査員大賞、男優賞、女優賞、マルチェロ・マストロヤンニ賞、脚本賞などがある。映画祭は現地時間9月12日まで行われ、受賞結果は映画祭最終日に発表される予定だ。
黒沢監督おめでとうございます。今回は残念ながら現地に伺うことが叶いませんが、会場の皆様にお会いできなくても、想いは通じると信じています。誰かの明日へつながる1本になればと心から祈っております。
この時代にこの作品で、このキャストスタッフの下、黒沢組に参加出来た事が夢のようですが、その上にまた、ヴェネチア国際映画祭に参加するという嬉しい知らせを頂きました。より多くの方々に観ていただければと思います。
嬉しい、と同時にたいへん緊張しています。1940年代の日本を生きた夫婦の姿が海外の人の目にどう映るのか、今は予想もつきません。
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