若松プロ、ミニシアター応援基金設立!未ソフト化16本を期間限定オンデマンド配信

2020年5月3日 09:39

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[映画.com ニュース] 若松プロダクションは5月3日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け休業を余儀なくされている全国の小規模映画館(ミニシアター)を応援するため、「若松プロダクション ミニシアター応援基金」(http://wakamatsukoji.org/ondemand/index.html)を設立し、故若松孝二監督が手がけた16本(内訳は監督作12、プロデュース作3、メイキング1)をオンデマンド配信する。16本すべてがDVD化されていない貴重な作品で、視聴による売り上げの半分は応援基金として寄付するという。

誰よりもミニシアターを愛し、自作を上映したいという申し出があれば全国どこへでも出向き舞台挨拶などに積極的に参加してきた若松監督。その思いを受け、同プロは応援基金を開設。配信第1弾として選ばれた作品群はミステリー、ハードボイルド、若松流ヌーベルバーグなど、成人映画の枠に収まりきらない若松監督の多彩な才能が垣間見える。今後も、同プロ秘蔵の映画、映像作品を配信していく予定だという。

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配信第1弾のリストは以下の通り。

■監督作品

甘い罠」(1963/ 82分)※現存するものは60分のみ
製作:東京企画 脚本:峰三千雄若松孝二 撮影:門口友也 照明:磯貝一
音楽:柳沢剛 出演:香取環睦五郎五所怜子
【解説】若松孝二の1963年の監督デビュー作。長い監督人生で脚本を書いたのはこの1本だけ。記録では82分となっているが発見されたフィルムは60分のみ、映画上映館で独自の編集がされたものとみられる。廃棄所に送られたはずがフィルム好事家の元にあり、奇跡的に発見された。

「鉛の墓標」(1964/90分)
製作:ダイヤプロ 制作:朝倉大介 脚本:吉岡道夫 撮影:伊藤英男
照明:森康 出演:野上正義、田代かほる、築地容子
【解説】チンピラがギャングの世界でのし上がるために暴力と裏切りの泥沼へとはまっていく。全編ハードボイルドな世界観で、若松孝二の幅広い演出力がうかがえる作品。

「逆情」(1964/71分)
脚本:大石純一郎 出演:寺島幹夫扇町京子、公 敦子、手島昭彦
【解説】崖下に転落した夫と子どもを救うために妻は下着姿で奮闘するが、助けを求めた村には凶悪な脱走犯が潜伏していた……。初監督から2年目の作品。無傷のネガが収集家の倉庫より奇跡的に発見され、ニュープリントからデジタル化された。

「裸の影」(1964/84分)※フィルムの経年劣化により見づらい箇所あり
製作:クレンズヒル映画 脚本:吉岡道夫 撮影:伊藤英男
出演:美田芳江、細川直也明日香実、劇団ひまわり
【解説】若松孝二が原爆と戦争への怒りをテーマにして64年に製作した初めての社会派ドラマ。原爆により胎内被爆してしまった女子高生が、原爆症に悩まされる姿を描く。社会派映画を目指して作成したが公開当時には女子高生たちの入浴シーンにPTAからのバッシングを受けた。

「歪んだ関係」(1965/80分)
脚本:大谷義明   出演:新高恵子、城山路子、林孝一、吉沢京夫、寺島幹夫藤田功
【解説】産婦人科医が朝帰りすると妻が殺されていた。はたして犯人は誰なのか……。若松孝二監督が描く推理サスペンス。巧妙に仕掛けられたトリックに隠された人間の性とは!? 成人映画として製作されながらも推理に重きを置いた異色作。

「欲望の血がしたたる」(1965/71分)※フィルムの経年劣化により見づらい箇所あり
脚本:大谷義明 出演:上野山功一、叶美智子、生方健、香取環
【解説】かつては全学連の闘士だった男は、大手証券会社・専務の娘と結婚し、エリートサラリーマンの地位を欲しいままにしていた。しかしそんな彼のもとに過去からの黒い影が忍び寄る……。初期作品の中で長らく行方不明となっていたが、東京国立近代美術館フィルムセンターの倉庫より発見された。

「血は太陽よりも赤い」(1966/80分)
脚本:大谷義明 出演:大塚和彦、若原珠美、笠間雪男、一の瀬弓子、山吹ゆかり
【解説】受験を控えた男子高校生が様々な社会的不正に憤り、全ての大人への復讐を決意する……。“「血は太陽よりも赤い」なんていうのは、渋谷の街の中で、トリの頭をバンと切って、通行人にバーッとぶっかけて、それを隠し撮りしたりした。寺山修司なんか、これを物凄く評価したね。街の中を、後ろにカンカラをいっぱいうえて、車でガランガラン走り回ったりね。アングラ的だったんでしょうね”(若松・談)

「性の放浪」(1967/78分)
製作:若松プロダクション 企画・制作:若松孝二
脚本:出口出足立正生沖島勲)撮影:伊東英男 照明:磯貝一 スチール:小水一男
出演:山谷初男、新久美子、水城リカ、山崎敏子、沖島勲
【解説】妻に尻に敷かれるサラリーマンが溜まりに溜まったストレスで、ふとしたことから放浪の旅に出る。今村昌平監督による「人間蒸発」にインスピレーションを受けて製作された。主演のサラリーマン役に山谷初男、妻とともに夫の行方を追うドキュメンタリー監督役で沖島勲が出演している。

「性犯罪」(1967/74分)
脚本:出口出足立正生沖島勲
出演:吉沢健、高月美夜、瓜生良介山谷初男佐藤重臣福間健二
【解説】誤って友人を殺した男とその女の逃避行。ゴダールに衝撃を受けてヌーベルバーグのような映画を撮ったと若松監督は語っていた。男女の逃避行やダイナマイトなど、同年日本公開の「気狂いピエロ」と類似点が多い。

「現代性犯罪暗黒編 ある通り魔の告白」(1969/69分)
脚本:出口出福間健二) 出演:福間健二、芦川絵里
【解説】撮影当時、都立大生だった映画監督・福間健二の脚本・主演による「現代性犯罪」シリーズの第1弾である。後に撮られる連続暴行映画の原型にもなっている。詩的で若さ溢れる福間の脚本とそれに応えるかのように若松監督の演出がさえわたった傑作。

「性家族」(1971/68分)
脚本:出口出足立正生) 撮影:伊東英男 出演:香取環
【解説】家長として君臨する封建的な父とそれに従うしかない息子たち。しかし母の死をきっかけに息子たちの反乱が始まり家族が崩壊してゆく。父の権威に反攻した若松らしい作風。「ピンク女優・第一号」と呼ばれた香取環が出演。

「新宿マリア」(1975/67分)※現存するフィルムが劣化しており場面によって色が安定せず)
脚本:出口出高橋伴明) 撮影:伊東英男 出演:中島葵
【解説】新宿で体を売る女性マリアら新宿の売春婦を追う女性記者。マリアが男と同棲を始めたことから事態は思わぬ方向へ。新宿を舞台にした売春婦の物語。全編に流れるパレスチナミュージックが印象的な作品。

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■プロデュース作

夜にほほよせ」(1973/67分)
監督・脚本:林静一
【解説】政治と暴力が題材になることの多い若松プロ作品としては、異色の青春ドラマ。鈴木慶一率いる「はちみつぱい」が、主演のかしわ哲と共に音楽を、大島渚監督作品で知られる吉岡康弘が撮影を担当している。監督・脚本はイラストレーター・漫画家・アニメーターの林静一

戒厳令の夜」(1980/136分)
製作:若松孝二 原作:五木寛之 監督:山下耕作  脚本:夢野京太郎佐々木守
出演:鶴田浩二伊藤孝雄樋口可南子
【解説】古びたバーで、偶然発見された1枚の“幻の絵“はナチスドイツが秘匿したゲーリングコレクションだった。闇に葬られたはずの陰謀が動き始める……。五木寛之の同名ベストセラー小説を、ジョー山中の歌唱に乗せて展開させた壮大なミステリー。九州の怪老人役を鶴田浩二が熱演。※映画上映後にボーナストラックとして公開当時の予告編付き

赤い帽子の女」(1982/104分)
製作:若松孝二 監督:神代辰巳  脚本:内田栄一
出演:永島敏行クリスチーナ・ファン・アイク 泉谷しげる
【解説】男は先輩の誘いでミュンヘンへと向かう、男はそこで赤い帽子の女と出会う。第二次世界大戦前のドイツを舞台に、赤い帽子の女に魅せられた日本人青年の姿を描く。芥川龍之介の作ではないかとも言われる、作者不明の発禁小説の映画化で、脚本は「水のないプール」の内田栄一。

■メイキング作品

「若松孝二 2006-2012」(2012/60分)
【解説】2006年「実録・連合赤軍」撮影から2012年の遺作「千年の愉楽」撮影までの若松孝二の姿を追ったメイキング映像。12年の若松孝二の追悼イベントで、テアトル新宿にて一度だけ上映された。

(映画.com速報)

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