村上虹郎「銃」を新たな視点で描く物語、20年公開 日南響子、佐藤浩市、加藤雅也が共演
2020年4月30日 12:00

[映画.com ニュース] 村上虹郎の主演映画「銃」を、新たな視点で描く映画「銃 2020」が、2020年に公開されることがわかった。「銃」にも出演した日南響子が主演し、佐藤浩市、加藤雅也、友近、吹越満が共演。「銃」の原作者であり芥川賞作家・中村文則氏が原案と初の脚本を担当し、奥山和由プロデューサーと武正晴監督が再びタッグを組んだ。
拳銃を手に入れた大学生の狂気を描いた「銃」。奥山プロデューサーの着想により新たな物語が始動し、中村氏がオリジナル脚本を手掛け、「百円の恋」「嘘八百」の武監督がメガホンをとり脚本も担当した。それぞれ「この映画、完全にいってしまってる」(奥山プロデューサー)、「小説ではない、映画という表現方法を取った形での、僕の新作でもあります」(中村氏)、「中村文則さんの書き上げた恐るべきシナリオに、恐るべき俳優陣が集結してくれた。挑んでくれた俳優陣の仕事ぶりが誇らしく、深謝します」(武監督)と、コメントを寄せた。
「昨日、私は拳銃を拾った。こんなに奇麗で、不機嫌そうなものを、私は他に知らない」。深夜、東子は自分の後をつけてくる不穏なストーカー・富田から逃れるため、薄暗い雑居ビルに入る。流れ続ける水の音が気になり、トイレに入ると辺りは血に染まり、洗面台の水の中に拳銃が落ちていた。拳銃を拾った東子は、電気が止められ、ゴミに溢れた部屋に一人戻る。拳銃を確認すると、中には弾丸が4つ入っていた。
「銃」にカギとなる人物“トースト女”役で参加した日南が、拾った銃に翻ろうされる主人公・東子(トオコ)を演じた。「今回、8年ぶりに主演を務めさせていただき、新しい感覚と学ぶ事が多くありました。東子はとても難しい役どころだったので、ワンシーンワンシーンが自分との戦いでした」と語った。佐藤は、銃が引き寄せた縁により東子が出会う謎めいた男を体現。東子を執拗に追い回すストーカー・富田役の加藤は、「親愛なる東子様 ついに君は僕の存在が気になりだしたようだ。この時を僕はずっと待っていた。この幸福の瞬間のために僕は存在する。そろそろ……僕は君の前に姿を現すことにするよ。そして……神である僕をこの苦しみから救い出すことで、君はすべてのことから解放される」と、富田の立場でメッセージを託した。
友近は死んだ弟を溺愛し東子を毛嫌いする精神を病んだ母、吹越は東子を破滅へと追いこんでいく刑事に扮する。さらに、「銃」の村上が演じた大学生・西川トオルとして1シーン出演し、リリー・フランキーも刑事役で特別出演。そのほか山中崇、宇野祥平、篠原ゆき子、内田慈、岡山天音、サヘル・ローズ、片山萌美、中村有志も顔をそろえた。
あわせてお披露目されたポスターには、銃を手に恍惚とした表情をみせる東子を中心に、狂気に満ちたキャラクターの不穏な表情を活写。「狂気が覚醒する。」というコピーも添えられている。「銃 2020」は、20年に東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開。
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