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アルモドバル版「ニュー・シネマ・パラダイス」 A・バンデラスのカンヌ受賞作、予告完成

2020年3月27日 09:00

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「ペイン・アンド・グローリー」6月19日公開
「ペイン・アンド・グローリー」6月19日公開
(C)El Deseo.

[映画.com ニュース] アントニオ・バンデラスが第72回カンヌ国際映画祭の男優賞を初受賞し、巨匠ペドロ・アルモドバルがメガホンをとった「ペイン・アンド・グローリー」の公開日が6月19日に決定。あわせてお披露目された予告編には、「アルモドバル版『ニュー・シネマ・パラダイス』の誕生!」(Time Out)というテロップが切り取られている。

第92回アカデミー賞(国際長編映画賞と主演男優賞)、第77回ゴールデングローブ賞(外国語映画賞、ドラマ部門の主演男優賞)にノミネートされた本作。「私が、生きる肌」「ジュリエッタ」などで知られるアルモドバル監督が、キャリアにおける葛藤など自伝的な要素が織りこまれた物語を紡ぎ、自身を重ね合わせたかのような主人公の映画監督サルバドール役を、何度もタッグを組んできたをバンデラスに託した。さらにアルモドバル監督のミューズ、ペネロペ・クルス(「ボルベール 帰郷」「抱擁のかけら」)が、献身的に息子を育て、家族を明るく支える母親を演じている。

脊椎の痛みから生きがいを見出せなくなった世界的な映画監督サルバドールは、心身ともに疲れ果て、引退同然の生活を余儀なくされていた。そんな日々の中で、サルバドールの心には自身の子ども時代と母親のこと、当時移り住んだバレンシアの村での出来事、マドリードでの恋と破局など様々な思い出が去来し、過去の痛みが今も消えずに残っていることを知る。ある日、32年前に撮影した作品の上映依頼があり、彼は再び過去と向き合うことになる。

予告編では、創作意欲が枯れ果て「ただ生きてる」と孤独に沈むサルバドールが、幼い頃の記憶に身を任せるさまを活写。太陽光が降り注ぐ、白い岩肌の洞窟の家での生活、貧しくもたくましく生きる美しい母の横顔――。現実と回想を行き来し、過去の痛みとの再会を経て、目を潤ませるサルバドールの表情が映し出される。「人生のはじまり」へと向かっていく、希望や再生を感じられる映像に仕上がった。

映像を彩っている楽曲は、イタリアの人気女性シンガー・ミーナがドラマティックに歌う「Come sinfonia」。劇中では、幼少時代の水彩画のスケッチシーンで流れる。アルモドバル監督はミーナについて「私を感動させてくれる芸術家であり、家族のような存在」と語り、「この曲は1960年代の上品さ、何もすることのない楽しい夏の感覚を表現している」とコメントを寄せている。

ペイン・アンド・グローリー」は、6月19日から東京のTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamura ル・シネマほか全国で公開。R15+指定。

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