ピクサー作品はなぜ感動する? “Story is King”を貫くストーリー制作3つの秘密
2020年3月1日 13:00
[映画.com ニュース]ディズニー/ピクサー最新作「2分の1の魔法」が、3月13日から全国公開される。これまでも「トイ・ストーリー」シリーズ、「リメンバー・ミー」など、友情や家族の絆をテーマに良質な作品を送り出してきたピクサー。どんなテーマでも人々を感動させられるのは、ストーリーの制作過程にピクサーならではの理由が隠されていた。
まず1つ目は、チームワーク。ピクサーでは、ストーリー制作だけでなくキャラクターや照明、シミュレーションなど映画制作における工程がチーム制になっている。「2分の1の魔法」では、ダン・スキャンロン監督の“父親を亡くした経験”から着想を得ているが、そこから主人公イアンと兄バーリーがどんな旅路を辿るのか、誰もが共感できる物語になっているのかをストーリーチームでアイデアを出しあった。チーム内にはいろんな国の社員がいるため、さまざまな文化や価値観を持った人でも共感できるかどうかを大切に作り上げていく。
2つ目は、客観的な目線。ピクサーには「Story is King(全ては物語を伝えるため)」という信念があり、誰もが感動できるストーリーかどうかを重視する。そのため、ストーリーチームが短いシーンを制作すると、作品に関わっていない社員に見せて客観的な意見をもらうのだ。
ストーリーチームのケルシー・マンは「ピクサーが素晴らしいのは、この映画に関わっていない人たちが自分の作業をストップして他の人が作っている映画をさらに良くするお手伝いをしようとしてくれることだよ。アンドリュー・スタントン(『トイ・ストーリー』の原案・脚本、『ファインディング・ニモ』の監督など)や、ピート・ドクター(『トイ・ストーリー』の原案、『カールじいさんの空飛ぶ家』の監督など)も途中の映画を見て意見をくれた。スクリーニングを見た全員が、内部のウェブサイトに映画に関する意見を投稿できるようになっていて、2~3日で数百個の意見が集まるんだよ。気に入ったこと、気に入らないことや、分かりづらかったことなどを知り、悪い部分を改善してより良いストーリーを作り上げていくんだ」と明かす。一つの作品で8~9回ほどこれを繰り返し、数年かけてストーリーを完成させていく。
3つ目は、ストーリーのこだわりを捨てること。監督であっても、他の人が納得しないアイデアは、映画に必要ないとしっかり判断しなければならない。時には良いと思ったアイデアであっても、映画にとって必要なければアイデアを捨てる勇気が必要なのだ。
スキャンロン監督は「最も才能ある人たちが集まるピクサーで、彼らにアドバイスをもらったり、あげたりしながら、同時に自分の直感を貫くというのは難しいんだ。でも、僕は自分の映画を作りたいとは思っていない。僕は自分の言いたいことを伝える映画を作りたいだけなんだ。そうしたメッセージがはっきり伝わることが、何より大事。だから、どんなに良いアイデアでも、映画の方向性に合っていなければ入れないという決断を下すんだよ。うれしいことに、この映画には僕が本当は気に入っていないと思う部分が一つもない。本当に誇りに思える作品になったよ」と自信をにじませる。
完成まで7年以上かけ、緻密な作業を積み重ねた本作もまた、世界中の人々が感動できる作品に仕上がった。
「2分の1の魔法」は3月13日から全国公開。
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