劇場公開日 2020年8月21日

2分の1の魔法 : 特集

2020年8月17日更新

「トイ・ストーリー」「リメンバー・ミー」のディズニー&ピクサー最新作は…全世代の人々に深く刺さる、最高の感動作だった! 兄弟の絆、親子愛、自分を変える勇気――物語と魅力を徹底レビュー&解説!

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世界中の映画ファンを魅了し続けるディズニー/ピクサーの最新作「2分の1の魔法」が、8月21日に公開を迎える。今回描かれるのは、かつて魔法が存在した世界と、亡くなった父にひと目会うため奮闘する兄弟の絆をテーマにした、ファンタジーアドベンチャーだ。

とりもなおさず映画.comが読者に伝えたいことは、「本作はひたすらに感動的である」こと、そして「あらゆる世代の人々に深く刺さる物語である」ということだ。その根拠を、これから語っていこうと思う。


【予告映像】 僕に魔法が使えたら―― 一度でいいから、父さんに会いたい

【ディズニー&ピクサー最新作】 今回も感動&興奮の物語! どうして感動できる? その理由を徹底解説!

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ディズニー&ピクサーの作品について、もはや映画ファンへの説明は不要だろう。今回も過去作と同じように、そのアイデアはユニークであり、物語の強度も非常に高い。


・「トイ・ストーリー4」「リメンバー・ミー」などのピクサー最新作 今まで、どれだけ泣かされてきたか…

「トイ・ストーリー4」では、ウッディとバズが選んだ“答え”に驚き、応援し、そして頬を伝う温かい涙をぬぐった。「カールじいさんの空飛ぶ家」(おそらく世界最速で泣ける映画)は、冒頭のカールと妻エリーの出会いと別れが美しく切なかった。

(下記写真左上から)「カールじいさんの空飛ぶ家」「リメンバー・ミー」「モンスターズ・インク」「ファインディング・ニモ」「トイ・ストーリー」「カーズ2」「インサイド・ヘッド」「ウォーリー」「インクレディブル・ファミリー」と、過去作に思いを巡らせるなかで、ピクサーは一貫して“絆”を描いてきた、ということに気がつく。本作でも、そんな核となる魂は不変。描かれるのは、兄弟、そして家族の絆だ。

上記の各作品はディズニーデラックスで配信中
上記の各作品はディズニーデラックスで配信中

・主役は“内気な弟”と、“陽気な兄”… 父をたった1日だけ生き返らせるため冒険する

何をやってもうまくいかない内気な少年イアンには、切なる願い事があった。自分が生まれる前に亡くなった父親と会うことで、自分自身を変えたい――。16歳の誕生日、イアンは父が遺した“魔法の杖”と、“死者を1日だけよみがえらせる魔法”が書かれた手紙を受け取る。

父さんを生き返らせよう! 魔法オタクの陽気な兄バーリーとともに呪文を唱えてみると、杖から青白い閃光が飛び出し、それはみるみる人の形になっていった……! イアンには魔法の才能があったのだ。

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しかし杖の先端にある“不死鳥の石”が粉々に砕け散り、魔法は失敗に終わる。父は生き返らなかった……のではなく、“体の半分だけが生き返る”という意味不明な状況に陥ってしまった!

かくして風貌も性格も異なる兄弟は、父がこの世にいられる24時間の間に、彼を“完全に復活させる”べく、新たな不死鳥の石を求めて冒険の旅に出る。「父さんとやりたいことリスト」と書かれたメモ帳を、大事そうに抱えながら――。

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・設定は今回もユニーク! 舞台は“かつて魔法があふれていた世界”

「魔法」とさらりと書いたが、今回の舞台は、“炎や雷などの魔法があふれていた世界”だ。はるか昔、人々は魔法で火を灯したり、悪者を退治したり、冒険に繰り出したりしていた。

しかし科学技術が発達すると、人々は扱いが難しい魔法よりも、ガスコンロやスマホなどを重用するようになった。美しき魔法は廃れ、次第に誰もそれを使わなくなっていった……。

「モンスターズ・インク」では子どもをおどかすモンスターたちの日常、「ファインディング・ニモ」では魚たちの世界を生き生きと描いてきたが、今回もピクサーのイマジネーションは全開!

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・今度の物語は、特に“全世代が感情移入できる”!

若者世代は、学生生活に悩む高校生の弟イアンや、趣味に没頭する自由奔放な生活を送る兄バーリーに。そして親世代は、その母ローレルに。望まぬ仕事に従事している人は、かつての“伝説の冒険者”なのに現在はファミレスを経営しているマンティコアに心情を重ねるかもしれない。

心の底から感情移入できるキャラが鮮やかに活躍するため、あらゆる世代の人々が物語にどっぷりと肩まで浸かることができる。そして「俺/私のための物語だ!」という思いが脳裏を支配し、やがて感動の波にもみくちゃにされるだろう。

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・タイムリミットは24時間 父に、あの言葉を伝えたい… 兄弟が選ぶ意外な結末とは

魔法は24時間しか持続しない。つまりこのままでは、日が沈むとともに、父は半分だけの体のまま消えていってしまう。どうしても会いたい。会って、伝えたいことがある。イアンとバーリーは、命の危険が降りかかる旅を経て、意外な結末へと突き進んでいく。

兄弟が父に伝えたい言葉とは? そして2人がたどり着いた答えとは? 劇場へ足を運び、自身の目で確かめてほしい。

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【本編レビュー】 子供が生まれたばかりの映画ライターは、本作をどう見た?「もしも我が子が壁にぶつかったとき…僕は、何をしてあげられるだろうか」

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全世代が感動できる物語。その証拠に、ひとつ例を挙げてみよう。ある男性ライターが本作を見たとき、どんな思いが胸に去来したのか。レビューをお届けする。

僕は30代の映画ライターだ。数カ月前に第一子が誕生し、好き勝手生きていたそれまでの生活が一変した。子の誕生はすなわち革命だ。妻の育児量の足元にも及ばないが、微力ながらも育児に参加し、スペクタクルな日常の苦楽を味わっている。

そんななか「2分の1の魔法」を鑑賞する機会が訪れた。正直に白状すれば、キャラクタービジュアルにあまり興味が持てなかったせいか、期待は薄かった。しかし、である。映画が始まると、すぐに心はスクリーンに吸い込まれていった。描かれる弟と兄、そして子と父親の関係性に、感情を持っていかれたからだ。

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旅の途中、イアンはたびたび壁にぶち当たる。「できない」。自分には到底無理だと弱音を吐くイアンに、兄のバーリーは「おまえならできる」と魔法の言葉をかける。自信たっぷりに。当然であるかのように。

僕の心が、物語と重なった。この先、僕は、成長し様々な困難を経験する我が子に対し、バーリーのように勇気づけてあげられるだろうか。僕は子どもに何をして、何を教えてあげられるだろうか。そう思った。

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自分の力で何かを成し遂げたときの、心にともる炎の温度や、全身を突き上げるような達成感。誰かを愛することの喜び。抱きしめられたときの浮遊するような気分。現実の世界に待ち受けるリアルでフィジカルな体験の感動。映画や小説や漫画がもたらしてくれる非日常のめくるめく体験の素晴らしさ。そして、君がこの世界に確かに存在することの尊さ。

そうしたことを、僕は教えてあげたいと思った。ともに経験し、分かち合って生きていたいと思った。スクリーン上で展開される物語を見ながら、僕は温かく柔らかな希望に包まれるのを感じていた。劇場の暗闇が親密に感じられ、完璧なまでの愛おしさがこみあげてきた。

イアンとバーリーの冒険は、やがて観客に魔法をかける。年齢や性別、境遇や信念を問わず、どんな観客の心も等しく浮遊させ、必ずやポッと明るい光を灯すだろう。

数年後、子どもが言葉を理解し、物語や教訓に興味を示すようになったら――。子どもを膝に乗せ、抱きすくめながら、もう一度この映画を見ようと思った。

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