沖田修一監督、女優陣への多大なる愛を込めた「おろかもの」チームの製作姿勢に破顔
2020年2月15日 22:11

[映画.com ニュース] 田辺・弁慶映画祭の弁慶グランプリ、キネマイスター賞、観客賞、俳優賞を受賞した「おろかもの」が2月15日、東京・京橋の国立映画アーカイブで上映され、メガホンをとった芳賀俊監督と鈴木祥監督、ゲストの沖田修一監督(「子供はわかってあげない」「おらおらでひとりいぐも」)がトークイベントに出席した。
本作は、上映企画「第2回 Rising Filmmakers Project 次世代を拓く日本映画の才能を探して」の1本として選出。結婚を目前に控えた兄の浮気現場を目撃してしまった高校生・洋子(笠松七海)と、浮気相手・美沙(村田唯)が奇妙な“共犯関係”を結ぶ。
芳賀監督は、共同監督という体制が実現した理由として「2人のDNAが同じような感覚があった」という。「(日本大学芸術学部映画学科在籍に)皆が駄作だという『ハプニング』(M・ナイト・シャマラン監督)を『好きだ』と言うと、鈴木君は『わかるよ』と。さらに『マトリックス レボリューションズ』『ターミネーター2』も好きという共通点があったんです」と説明。脚本を担当した沼田真隆ともシンパシーを感じたようで「(全員が)血のつながらない兄弟なのかなと思うほど(笑)」と明かしていた。

日本大学芸術学部映画学科出身の沖田監督は「脚本がすごく良い。まず、その点が“勝ち”だと思いました。さらに言えば、女優2人の存在ですよね。女優さんたちの“知恵”が台本に乗っかっている。女性たちが軒並み可愛らしいんです。女の子が撮ったと思うほど」と“後輩たち”を称賛。芳賀監督にとって、村田と笠松は「元々惚れている女優。沼田とも話していたんですが、僕らにとってのヒロインだったんです」と語った。2人の出演を念頭にした脚本作りだったため、あて書きの側面が強いようで「撮っている最中も恋をしているようでした。『綺麗だな』と感じつつ、時には涙が出るほど」(芳賀監督)と振り返る。沖田監督は「すごいですね……。こうなると、何も言えないですよ(笑)」と愛のある製作姿勢に破顔していた。
沖田監督は、商業デビューに至るまでの過程に触れ「企画はたくさん考えていました。ほとんど実らなかったんですが、そのひとつがやがてテレビドラマのアイデアになった。常にこういう映画があったらいいなという考えは持っていた方が良いと思う」と告白。そのアドバイスを受け、今後の展望を聞かれた芳賀監督と鈴木監督は「世界だけでなく、個人にも言いたいことがたくさんあるんですが、やはり“怒っている”ことが多い。それを死ぬまで発信していきたい」(芳賀監督)、「死ぬまでに日本産のサメ映画を撮ってみたい」(鈴木監督)と話していた。やがて「自主制作という形で、こんなにも面白い映画を届けている状況がすごい。今後も続けていったら、日本映画界において『やってやったぞ』というものができる気がする」とエールを送った沖田監督。そんな沖田監督に、芳賀監督が感謝の思いを伝えるひと幕があった。

芳賀監督「撮影助手として映画の現場に携わっているんですが、あまり有能な方じゃないんです。何回も何回も、この業界から足を洗おうと思っていました。そんな時に『キツツキと雨』の存在があったからこそ、ここまでやってこれました。脚本家の沼田君と『横道世之介』を見に行った時、鑑賞直後は何も感想が出てこなかったんです。ルームシェアをしていた部屋に戻り、1時間後に号泣して……、まさに人生賛歌の映画。生きるということは、なんでこんなに素敵なんだろうと。(沖田作品に)ずっと励まされてきたので、この場を借りて、感謝を伝えたいです」
その言葉を受けた沖田監督は「人と人が仲良くなる――『キツツキと雨』もそうでしたし、僕はそういう映画が好きなんです」と切り返す。「『おろかもの』も同じ側面がありますよね。『洋子と美沙が仲良くなったらいいのに』といった“皮肉な面白さ”がある。そういうところに親近感を抱きましたね」と感想を述べていた。
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