入江悠監督、「されど青春の端くれ」森田和樹監督に授けた“深作欣二の至言”

2020年2月14日 21:00

入江悠監督(左)と森田和樹監督
入江悠監督(左)と森田和樹監督

[映画.com ニュース]ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター・コンペティション部門のグランプリとシネガーアワードを獲得した青春映画「されど青春の端くれ」が2月14日、東京・京橋の国立映画アーカイブで上映され、メガホンをとった森田和樹監督とゲストの入江悠監督(「AI崩壊」「22年目の告白 私が殺人犯です」)がトークイベントに出席した。

上映企画「第2回 Rising Filmmakers Project 次世代を拓く日本映画の才能を探して」の1本として選出された本作は、仲良し男子高校生3人組のユーモラスな日常を、部活動での理不尽なしごき、いじめっ子集団との対立、同級生との恋の行方を交えて描いたもの。入江監督は「『SR サイタマノラッパー』と似ている面があって、客観的には見ることができなかった。演出やロケ地――自分の自主映画を追体験しているようでしたね」と告白。「でも、面白かったですよ。広い画の使い方、(観客を)突き放すかと思いきや、後半は熱くなっていく。グッときました」と称賛した。

東京・あきる野市をロケ地とした「されど青春の端くれ」の撮影は、困難の連続だったようだ。クランクイン前日、撮影部と録音部が「監督としてのセンスがない。もうついていけない」という理由で離脱。「撮影のスケジュールを変えると“熱”が冷めそうな気がしていて……カメラがなかったので、(一部の撮影では)iPhoneを使用しました」(森田監督)と打ち明ける。入江監督は、自身のコミュニケーション力の無さを嘆く森田監督に対して「僕の知っている映画監督はおかしな人ばかりですよ。(監督とは)人とコミュニケーションをとるのが苦手で映画館に駆け込んでいたわけじゃないですか? 孤独を映画で慰めていた人種だから、気にしなくていいんですよ。商業映画をやりながら、そういう技術を習得していったんです」とフォローを入れた。

「されど青春の端くれ」
「されど青春の端くれ」

やがて、今後の方向性に悩む森田監督に対し、入江監督は日本大学芸術学部在籍時の思い出を明かす。「学生時代、深作欣二監督に会いに行ったことがあるんです。日芸に講義をしに来てくれと口説きに行きました。僕は当時、自主映画が監督のオナニーみたいで嫌だと思っていたから、商業映画に行きたいと思っていたんです。そしたら『映画が、監督のオナニーで何が悪い』と怒られたんですよ。自分が商業映画をやるようになって、あの時深作監督が仰られていたことは『確かに』と感じるようになった」と振り返る。

さらに、森田監督が“キラキラ映画”を忌避している点に言及し「撮りたくない“キラキラ映画”をやって、大勢の観客に媚を売っても、それは面白くはならない。(監督のオナニーとも言える要素を)自主映画は全開で出せるじゃないですか。それを商業映画の方に持ち込めれば、監督としては一番幸せなこと」と説明。「商業映画が停滞し、同じテイストのものを繰り返し生産している状況を、自主映画が突破してくれる、壊してくれるという思いがすごくあるんです。果敢にチャレンジしてほしい」と期待を込めていた。

森田監督が現在着手しているのは、プロダクションと組んだ作品。3月の完成を目指しているようで「高校生モノなんですが、スプラッター風の作品。『俺たちに明日はない』のような映画になると思います」とのこと。8月28日~9月1日に開催されるゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020でプレミア上映され、劇場公開も行う予定だ。

(映画.com速報)

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