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原田美枝子、初監督作お披露目 認知症で自身を女優だと思い込む母をiPhoneで撮影

2020年2月8日 08:00

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原田美枝子が実母のドキュメンタリーを監督
原田美枝子が実母のドキュメンタリーを監督

[映画.com ニュース]女優の原田美枝子の初監督作「女優 原田ヒサ子」が、ドキュメンタリー映像の祭典「座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」で2月7日お披露目され、原田が上映後のトークイベントに出席した。

監督のほか、制作・撮影・編集・出演を担当。認知症が進行した原田の母・ヒサ子さんが、「私は15歳から女優をやっているの」と、娘の人生を自分のこととして語り出したことが、本作製作のきっかけになった。母が語る記憶の断片が自分の人生とオーバーラップしていることに驚き、「もしかしたら(女優を)やりたかったのかも知れない」とカメラを回すことを決意したそう。

「私自身は自分のことで必死で、若い時は傲慢だったかもしれない」と振り返りながら、「母の母は44歳で13人目のお産で死んで、母は戦争でやりたいことができなかった」と、家族の物語に思いを馳せる。ヒサ子さんが映るパートは原田がiPhoneで撮影し、PCでの編集にも挑戦。「編集作業が気に入ってしまって、発表はしないけれど、いつか私の好きな方たちのPVみたいなものも撮ってみたい」と意欲を見せた。

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長男でVFXデザイナーの石橋大河、長女の歌手・優河、次女の女優・石橋静河ら、母の思いに賛同する人びともキャストやスタッフとして参加。「母に『子供たちはこんなに大きくなったよ』というおばあちゃんへの恩返し。やってみようと声を掛けたら、みんなも『いいよ』と言ってくれた」と、家族の協力についても語った。

是枝裕和監督作をはじめ、ドキュメンタリー、フィクションの傑作を手がけたカメラマンであり、本映画祭のプログラムディレクターを務める山崎裕氏は、「日本の女性の100年を想像させてくれる作品」「撮影対象に対する優しさ、リスペクトを感じる」と絶賛した。

女優 原田ヒサ子」は3月28日から渋谷ユーロスペースで公開。

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