佐藤浩市、原発事故の最前線に立ち「彼らの気持ちの何百分の一でも伝えることに腐心」
2020年2月4日 21:29

[映画.com ニュース] 俳優の佐藤浩市と吉岡秀隆が2月4日、映画「Fukushima50」の都内で行われた特別試写会に若松節朗監督とともに出席した。
東日本大震災での津波により、全電源が喪失した福島第一原発でメルトダウンの危機に立ち向かった作業員たちに迫るノンフィクションの映画化。主演の佐藤は最前線の中央制御室(中操)の1・2号機の当直長、吉岡はその後輩で5・6号機の当直長をそれぞれ演じた。
佐藤は、「(震災時)僕らはあんな状況下にいながら知らないことが多すぎて、改めて勉強させてもらった」としみじみ。さらに「彼らはあの日、あの時、あの場所になぜいたのかを、吉岡も含め皆が自問自答しながら演じていた。彼らの気持ちの何百分の一でもいいから、今日本に生きている人に感じてもらえるかに腐心した」と続けた。
吉岡は震災時、「ALWAYS 三丁目の夕日‘64」の撮影中だったそうで「こんな時に映画を撮っていていいのかなと思いながら、北の空に向かって祈った記憶があります」と述懐。そして、「世界の渡辺謙さん、歩く日本映画ともいえる佐藤浩市さんに引っ張っていただいた。防護服にマスクをしていても浩市さんだけは分かって、緊迫したシーンでもマスク越しに浩市さんの顔を見ていた」と振り返った。
すると、若松監督が「俳優のレジェンドだから、シルエットで分かるんです」と補足。佐藤は、「猫背だから分かるんですよ」と苦笑した。
時折和やかな雰囲気をつくり出しながらも、佐藤は「今も公共の電波では、津波の映像を流す時には事前にテロップを入れなければ流せない。被災された方やその身内の方にはつらいものがあるかもしれない。そういうシーンが多々ありますが、10年後、20年後に残さなければいけない、忘れてはいけないからです」と力説。吉岡も、「何かを感じることができる映画なので、それを誰かに伝えていただければ未来につながる映画になると思う」と語った。
「Fukushima50」は、3月6日から全国で公開される。
(C)2020「Fukushima 50」製作委員会
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