壁があっても向かっていきたい――芳根京子の“めげない女優力”
2020年1月16日 14:00

[映画.com ニュース] 透明感あふれる存在感と確かな演技力で、世代を代表する女優の一人となった芳根京子。刊行以降の累計が50万部を超える織守きょうやの小説を映画化した「記憶屋 あなたを忘れない」(1月17日公開)では、山田涼介扮する主人公の幼なじみ役をみずみずしく演じている。自身の性格を分析してもらうと「めげない。挑戦するのは怖いけれど、何事もやってみないとわからないと思っています」と微笑むなど、可憐な容姿の裏に驚くほどの強さを秘めている。本作で演じた役柄との共通点を明かしてもらうとともに、「もう“無理”なんて言わない」と決意した転機について語ってもらった。(取材・文/成田おり枝 撮影/堀弥生)
ある日突然、恋人から忘れられてしまった大学生の遼一(山田)が、幼なじみの真希(芳根)、弁護士の高原(佐々木蔵之介)とともに、人の記憶を消せるという“記憶屋”の存在を探す姿を描く本作。TBSドラマ「天皇の料理番」や「義母と娘のブルース」、映画「ツナグ」を手掛けた平川雄一朗が監督を担った。

幼なじみという関係性を演じた山田とは、劇中で丁々発止のやり取りを披露。見ているこちらも思わず頬が緩むような温かなシーンを作り上げたが、芳根は「本読みのときに、山田さんが『幼なじみの役なんだから、敬語は禁止だよ』と言ってくださって。ものすごく気持ちが楽になったんです」と山田の気遣いに感謝しきり。「山田さんは本当にフランクな方。現場でも、気兼ねなく冗談を言い合ったりすることができたんですが、それも“真希と遼ちゃん”という特別な関係性があったからこそ。私もこの2人の関係が素敵に見えるといいなと思っていました」と振り返る。
芳根が演じた真希は、明るく、活発。遼一のそばで笑顔を弾けさせている、キュートな女性だ。「真希は、人の幸せを願うことのできる女性。優しさの中にしっかりと強さを持っていて、とても魅力的だなと思いました」と印象を明かしつつ、「好奇心旺盛な真希ですが、そういったところは共通しているかなと思います。明るくて、“とりあえずやってみる精神”があるところとか(笑)。私も強さを持っている方だと思います」と共通点を告白。「私は食べ物でも食わず嫌いがないんですが、まずちゃんと食べてみてから、“良い、悪い”を理解したいと思っていて。何事も挑戦してみないとわからない。挑戦的な役柄をいただいたとしても、やれるからこそ、今このタイミングで、私のもとにたどり着いたんだと思いたい。気持ちで負けたくないなと思っています」と力強い眼差しを見せる。

強い気持ちを手にしたひとつのきっかけが、土屋太鳳とダブル主演を飾った映画「累 かさね」で難役を演じ切った経験だった。「『累 かさね』のお話をいただいたときに、始めは『できない、無理です!』と思ったんです。『この世界観の中で生きていく自信がない…』と。たくさんの葛藤があったんですが、マネージャーさんが『これをやれたら、かっこいいよ!』と言ってくれて、その言葉でやる決心がつきました」と意を決して飛び込んだことで、「太鳳ちゃんと一緒に現場にいられることもうれしかったですし、日本アカデミー賞で新人俳優賞をいただくこともできた」と新たなステップを踏み出すことができた。
「本当にやってよかったなと感じましたし、もう今後『無理です』なんて言えないなと思ったんです。自分の限界って誰も知らないから、もちろん怖いし不安もあるけれど、壁があっても向かっていきたい。そうやって、自分に言い聞かせている部分もあるんですけどね」とふわりと笑うなど、苦労を乗り越えることで女優として成長し続けている。

本作でも、彼女の“めげない”女優力が発揮された場面がある。真希が号泣するというシーンにおいて、涙が止まらなくなってしまったこともあり、16テイクも重ねたという。芳根の芝居を見た山田は「すごい!」と彼女の集中力に驚いていたそうだが、芳根は「16テイクやって、16回も泣けるというのは、私じゃなくて、心を揺さぶってくれる相手の方がすごいんです! そこまで突き詰めてくださって、妥協せずに付き合ってくださった平川監督、山田さんに感謝です」とニッコリ。
「お芝居をしていると、気づかないうちにアザができていることもあって(笑)」と笑って話す芳根だが、「台本を読んで考えているときよりも、現場に行って思ってもみなかった感情があふれてきたりする瞬間がとても面白いんです」と演じることが楽しくて仕方ないといった様子。輝くような笑顔、切ない涙など、本作は芳根京子の表現力の豊かさを堪能できる1作としても注目だ。
「記憶屋 あなたを忘れない」は1月17日から全国公開。
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