オダギリジョー、“心の師”阪本順治監督に最敬礼「初心思い出させてくれる」
2019年11月30日 17:12

[映画.com ニュース] 俳優のオダギリジョーが11月30日、開催中の第20回東京フィルメックスの阪本順治監督特集で、「この世の外へ クラブ進駐軍」(2003)の有楽町朝日ホールでの上映後にQ&Aに参加した。
敗戦直後の東京で、進駐軍を前に演奏した5人のジャズメンの成長を描く青春群像劇。阪本監督は、「戦後を描くのは度胸がいるが、音楽を挟めばできるのではと思った。無茶な挑戦だったが、藤山寛美さんが『敗戦処理をしていた時が、一番平和だった』という言葉も聞いていたので、生活をより良くするために前向きな人を描くことを頭に入れて撮った」と述懐した。
オダギリは、公開時以来の観賞だったそうで「昨日のことも覚えていないタイプなので、16年前になると(記憶は)ほぼゼロ。他人がやっているものを見ている感覚」と苦笑。その上で、「よくできた映画だな、と」と照れながら明かした。
ドラムの担当だったが、中学からやっており「慣れていないように叩くのが難しかった。でも、メンバーの皆ですごく稽古をして、スタジオで合わせて成立するレベルにはなれた」と誇らしげ。だが、阪本監督は「相当苦労するだろうから、それを冷ややかな目で見てやろうと思っていたので、ちくしょうと思いましたね」と話し、会場の笑いを誘った。
2人はその後も「人類資金」「エルネスト」などでタッグを組み、阪本監督はオダギリについて「『エルネスト』の撮影がうまくいかなかった時、キューバの熱い風に吹かれながらいろんなことを話した。あれほどの苦労はなく、やり切ってくれたことで僕にとって一番大切な、信頼のおける俳優」と絶賛。続けて、「こう言うと、佐藤浩市が怒るかな」と自嘲気味に話した。
オダギリも、公開中の「ある船頭の話」で初監督に挑戦した経験を踏まえ「非常に自分に厳しい方で、いつも気を引き締められる。監督をしている時も、そのストイックさが脳裏から離れなくて、身を削りながらまじめに誠意を持って(作品と)向き合わなければいけないというのが根本にあった。会う度に初心を思い出させてくれる方」と感謝。阪本監督は、「デビュー作は自分の中にあるものを全部ださなければ意味がない。オダギリくんの顔がちゃんと映っているし、傑作です」と太鼓判を押した。
会場から、オダギリが次の監督作で阪本監督を起用する可能性についての質問が出ると、阪本監督が「俳優はやりません。助監督ならやります」と宣言。だが、オダギリは「扱いにくいっすよねえ。助監督も…やっぱり扱いにくい」と困り顔だった。
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