「ジェミニマン」アン・リー監督、主演のウィル・スミスに「もっと下手に演じて!」
2019年10月24日 16:00
[映画.com ニュース] ウィル・スミス演じる凄腕暗殺者が、自身の若きクローンと対決するアクション超大作「ジェミニマン」を手がけたアカデミー賞監督のアン・リー、数々のヒット作で知られる名プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが来日し、取材に応じた。現在のスミスの演技をベースに、若い頃のスミスを100パーセントデジタルで“誕生”させた驚きの舞台裏とは。
「クローンと向き合うことで、自分とは、人間とはという哲学的なテーマを投げかける。その点に最も魅了された」と振り返るリー監督。企画は10数年前から練られていたといい「技術が追いつくのを待っていたが、『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』での経験を経て、これはいけると確信しました。感情がいかに人間の表情に影響を与えるか。何より観客がそれをどう受け取るか、注意深く探究を続けたのです」と語る。
スミスの起用理由は、彼がハリウッドきっての大スターだからだけではない。「重要なのは、若い頃の容姿もよく知られていること。人気ラッパーであり、新人俳優だったウィルをね。映画に登場する23歳のウィルを“演じてもらう”上では、『もっと下手に演じて!』と伝えたよ。今のウィルは演技がうますぎる(笑)。いわば成熟と未熟のバトル。そのズレがこの作品の醍醐味だし、ウィルは見事に表現してくれた。今も俳優として貪欲な姿には、驚かされたと同時に、それこそ成功の証なんだと納得もした」(リー監督)。
120フレーム撮影や3D技術など、映像技術の先端を極めたビジュアル世界には、誰もが驚かされるはず。ストリーミング配信が躍進する現代にあって、「ジェミニマン」はこれぞ「映画館で映画を見る価値」といえる映像体験を実現させた。ブロックバスター映画の代名詞でもあるブラッカイマーに、映画業界の変化について聞くと「君の家には、キッチンあるよね?」と問いかけ、こう続けた。
「自宅で料理する日もあれば、外食にも行くだろ? 映画も同じだと思う。わたしは映画業界に長く身を置きすぎたが(笑)、テレビに始まり、VHSやDVDといったパッケージ、そして今はネット配信が台頭するたび、映画はもう終わりだと言われ続けてきた。もちろん、そうじゃないことは映画ファンの皆さんが一番よく知っていること。劇場が一体となって、ワクワクや感動を共有する体験は代えがたい。そして『ジェミニマン』は、映画そのものを“その先”に推し進めた革命的な作品なんだ」(ブラッカイマー)。この言葉にリー監督も大いにうなずき、「今後もより没入感がある、立体的なデジタルシネマを探求していきたい」と意欲を燃やした。
「ジェミニマン」は、10月25日から全国公開。
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