ゴッホ役でベネチア男優賞に輝いたウィレム・デフォー、17年ぶりの来日!
2019年9月26日 20:30
[映画.com ニュース]孤高の天才画家フィンセント・ファン・ゴッホの半生を描く「永遠の門 ゴッホの見た未来」が9月26日、東京・新宿ピカデリーでプレミア上映され、主演を務めるウィレム・デフォー、ジュリアン・シュナーベル監督(「潜水服は蝶の夢を見る」「夜になるまえに」)が出席した。
デフォーの来日は、2002年の「スパイダーマン」プロモーション以来、実に17年ぶり。「プライベートでは何度か来ているけどね。こうして、日本のファンの皆さんとお会いでき、映画を見てもらえるのはとてもうれしい」と喜びのコメント。シュナーベル監督は「ゴッホは自分が強い影響を受けた日本に来たがっていたんだ。だから、私が代わりに来日しました」と挨拶し、隣に立つデフォーに視線を送りながら「ある意味、ゴッホと一緒に来たと言えるかな。今日は麦わら帽子じゃないんだね?」と笑いを誘った。
作品が世に理解されずとも、絵筆を握り続けたゴッホの不器用な生き方を通して、多くの名画を残した天才画家の“視線”の先を見つめた本作。第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門の男優賞を受賞し、第91回アカデミー賞では主演男優賞に初ノミネートされたデフォーは、絵を描くシーンも自身でこなし「ジュリアンは画家でもあるから、描き方はもちろん、ものの見方も教えてくれた。それこそが演じるうえでの核となり、本質になったんだ」と振り返った。
シュナーベル監督は「これまでゴッホを描いた作品はたくさんあるから、当初は作るつもりはなかった」と告白。「この作品はアートが誕生するプロセスを描いていて、つまり、ゴッホの人生を見るのではなく、皆さん自身がゴッホになれる映画なんだ」と語った。デフォーとは「30年来の親友」だといい、「彼みたいに信頼できる人物はいない。だからこそ、彼の表現力を引き出し、皆さんにお見せする責任があった」と強いきずなを語った。
ジャパンプレミアには、俳優のリリー・フランキーが駆けつけ、デフォーとシュナーベル監督に花束のプレゼント。「尊敬する2人ですが、(ゲストが)女優じゃなくてすみません」と恐縮すると、シュナーベル監督は「あなたが出演した『万引き家族』、本当にすばらしかった。僕は軽々しく誉め言葉を言うタイプじゃないから、ぜひこの言葉を受け取って」。さらに「いつか、一緒に作品が作れれば」とリリーとのタッグに意欲も見せていた。
「永遠の門 ゴッホの見た未来」は、11月8日から新宿ピカデリーほか、全国順次公開。
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