ハリウッドの異端監督デニス・ホッパー「ラストムービー」、31年ぶりに劇場公開
2019年9月9日 18:00

[映画.com ニュース]「イージー★ライダー」(1969) のデニス・ホッパーの監督第2作「ラストムービー」(71)が、4Kスキャンと修復が施され、12月20日から1988年以来31年ぶりに劇場公開される。
初監督作「イージー★ライダー」でカンヌ映画祭・新人監督賞受賞、アカデミー賞の脚本賞にもノミネートされ一躍時代の寵児となったホッパーの、“呪われた映画”、“革命的な傑作”と評された本作は、当時のユースカルチャー市場を取り込むために、予算100万ドル以内で監督に最終編集権を保証するかたちでピーター・フォンダの「さすらいのカウボーイ」(71)、モンテ・ヘルマンの「断絶」(71)、ジョージ・ルーカスの「アメリカン・グラフィティ」(73)とともにユニバーサルが製作した1本。
脚本は名作「理由なき反抗」(55)を書いたスチュワート・スターン。ホッパーは次第に正気を失い狂気に陥る主人公カンザスを自ら演じ、ベテラン女優ジュリー・アダムス、映画監督のサミュエル・フラー、盟友ピーター・フォンダ、ママス&パパスのミシェル・フィリップス、本作の音楽も手がけたシンガーソングライターのクリス・クリストファーソンらが共演した。だが1年にわたる編集作業に混迷を極め、1971年ベネチア映画祭で好評を博すものの、難解な内容と前衛的な構成に困惑したユニバーサルのトップの再編集指示をホッパーが拒否し、映画は短期間での公開後ほぼお蔵入りとなった。
この騒動でハリウッドから干されたホッパーは酒とドラッグに溺れ、映画監督としてはその後約10年間の空白期間を迎えることとなった。本作は1971年当時ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコの3都市で小規模の上映が行われたが、昨年のリバイバル公開まで全米で公開されることはなく、日本では1988年、当時アメリカ国外で初めて劇場公開されるもその後のVHS発売以降、ソフト化はされていない。
映画撮影のために南米ペルーの村に赴いたスタントマン、カンザスは、撮影後ドラッグに溺れ、放蕩にふけるうち、映画作りを模した村での奇妙な儀式に巻き込まれる。やがて虚構と現実の境目を飛び越えためくるめく世界へと突入する。
「ラストムービー」は、12月20日から新宿シネマカリテほか全国順次公開。
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