エルトン・ジョンを“生きた”T・エガートンの魅力とは? D・フレッチャー監督「彼にしかできない役」
2019年8月23日 15:00

[映画.com ニュース] グラミー賞を5度受賞した伝説的ミュージシャン、エルトン・ジョンを描く映画「ロケットマン」。全編を彩る名曲の数々を吹き替えなしで歌い上げ、ジョンの非凡な人生を全身で生き抜いた主演のタロン・エガートンと、イマジネーション溢れるミュージカルエンタテインメントを作り上げたデクスター・フレッチャー監督に、互いの魅力やジョン本人との映画づくり、そして作品にこめたメッセージについて話を聞いた。
並外れた音楽の才能でまたたく間に伝説的ロックミュージシャンへの道を駆け上がる一方で、困難や苦悩に満ちたジョンの生き様をドラマチックに描き出す本作。家族からの愛を十分に受けられなかった幼少期、作詞家バーニー・トーピンとの運命的な出会い、愛する人の裏切り、アルコールやドラッグへの依存、そして再生――「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」「可愛いダンサー(マキシンに捧ぐ)」「ロケット・マン」など珠玉の楽曲をちりばめ、愛を求め続けたジョンの物語を紡ぐ。
「イーグル・ジャンプ」でもタッグを組んだエガートンとフレッチャー監督。かねて「他の作品でも一緒にやりたいね」と話していたという2人は、本作でさらにきずなを深めたようだ。
フレッチャー監督「もともと、タロンが素晴らしい歌声を持っていることは知っていました。『タロンがエルトン・ジョンを演じるなんて、素晴らしいアイデアだ!』と思い、今回の話に興味を持ったんです。そして実際に、彼は素晴らしい演技を見せてくれた。全編ミュージカルということで、歌声を通して1人1人のキャラクターが抱く感情を伝えなければならなかった。演技力も歌唱力もあって、新たな解釈も加えなければいけないので、本当にタロンにしかできない役だったと思いますね」
エガートン「今回は、危険を恐れずに演じなければならない役に挑みました。それでも安心して僕が演技できたのは、彼が環境を作ってくれたから。デクスターは監督としての手腕やファッションセンスも素晴らしいけれど、何よりも信頼関係を築けているということが大きかった。そういうケースは、監督と俳優の関係では珍しいんです」
これまでの人生の中で、英王立演劇学校のオーディションで「ユア・ソング」を歌い、声優として参加したアニメーション映画「SING シング」でも「アイム・スティル・スタンディング」を歌唱するなど、ジョンの楽曲と縁があったというエガートン。フレッチャー監督も絶賛する通り、5カ月間におよぶボーカルとピアノのレッスンを経て、素晴らしい歌唱力を見せつけている。エガートンは「10代の頃は音楽や映画にすごく興味があって、絵を描いたり、粘土で彫刻を作ったり、ものを作ることが好きだった。合唱やミュージカルなどにも積極的に参加していました」と懐かしそうに振り返る。さらに「演技というものは自分にとってすごく重要で、12歳の頃にウェールズの中で引っ越しをした時に、演劇クラブに入って、たくさん友達を作りました。映画作りのように、皆と一緒に何かを作ることが好きでしたね」といい、ものづくりに夢中になった青春時代を明かした。

歌、演技、アクションなど、様々な分野で最高のパフォーマンスを見せるエガートンは、存命の大スターという難しい役どころに挑戦した。製作総指揮に名を連ねるジョン本人からは、どのような助言やアドバイスを得たのだろうか。
エガートン「エルトンの素晴らしさは、自分たちにすごく自由にやらせてくれたこと。この映画は彼の人生を物語るもので、彼の音楽を使っているんだけど、僕たちの意見を尊重してくれて、ずっと支えてくれました」
フレッチャー監督「エルトンが初期の段階で、タロンに『自分の見た目にしても歌声にしても、僕を似せる必要は全くない。自分の解釈で僕自身を演じてくれていいんだ。そうじゃないと単なる物まね映画で、表面的な薄っぺらいものになってしまう。それは僕たちが作りたいストーリーではないので、君に全て任せる』と言ってくれました」
若くして成功街道をひた走り、栄光を掴んだジョンだったが、家族や思いを寄せる人からの愛に飢えていた。現実から逃げ出し、心の穴を埋めるようにアルコールやドラッグに溺れ、生活は荒んでいく。ステージ上での派手な衣装やエネルギッシュなパフォーマンスと、その裏に隠された自分自身を愛することができないという孤独な魂の相克が、見る者の胸を締めつける。
エガートン「自分を愛するということは、人それぞれ自分の中で見つけていかなくてはいけないことで、生きる上での信念によって様々な形があると思う。人生は1回きりだし、持っている体や置かれた状況はこれしかないわけだから、いくら苦しくても、自分を愛することを選択した方が生きやすいと思います」
フレッチャー監督「まず自分を愛することができないと、人からの愛を受け入れることはできないと思う。誰かに『愛してる』と言われたところで、『自分を愛してくれる人なんているわけがない』と壁を1枚作ってしまうわけですからね。結局自分を愛さずには、人を愛することも、人からの愛を受け入れることもできないということが、大きなメッセージになっている」
「ロケットマン」を通して、ジョンの魂や楽曲にこめられた思いに触れた今、エガートンは「パイロットにつれていって」、フレッチャー監督はジョン&エガートンが一緒に歌うエンディング曲「(アイム・ゴナ)ラヴ・ミー・アゲイン」、タロン・バージョンの「過ぎし日のアモリーナ」が心に響くという。インタビューの合間に歌を口ずさむ2人の姿から、ジョンの人生に向き合ってきた真摯な眼差しと、自信作への誇りが感じられた。「ロケットマン」は、全国で公開中。
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