根岸吉太郎監督、濃密な性愛描写が話題の「火口のふたり」は「この時代にこの企画を選んだことが勝ち」
2019年8月17日 13:00
[映画.com ニュース]直木賞作家・白石一文氏の同名小説を、柄本佑と瀧内公美の主演で日本映画界を代表する脚本家・荒井晴彦が実写映画化した「火口のふたり」の公開を記念し、8月17日、代官山 蔦屋書店で、荒井監督とゲストに根岸吉太郎監督を迎えたトークイベントが開催された。
映画は白石氏が11年の東日本大震災を受け、改めて“生きること”を見つめ直し、男と女の不確実な愛を描いた物語で、荒井の監督第3作。R18+指定となった、濃密な性愛シーンが公開前から話題となっている。
荒井が脚本を務めた「ひとひらの雪」「遠雷」「キャバレー日記」などで、メガホンをとった根岸。ひと足早く盟友の監督作「火口のふたり」を鑑賞した根岸は「この時代、たとえばあいちトリエンナーレで、表現の問題になっているけど、政治的な忖度というものじゃなくて、興行的なものだとか、一般の人が何を見たがっているのか、余計なことを乗り越えてこの映画があることに共感し、応援したいと思います。この企画を選んだことが勝ちなんじゃないか」とコメント。
そして、青山真治監督が「傑作すぎて非常に動揺している。70過ぎの高齢者にこんな若い映画を作られてはたまらない」と絶賛したという話題を受け、「確かに青春映画。遅れてきた青春みたいな。スタイルとして、ある年代を感じる。ふたりの考え方などが、70年代の青春とダブっている感じ。(柄本)佑を見ていると、荒井晴彦が乗り移ってるんじゃないかなと思った」と感想を述べる。
さらに、「他の監督で撮る予定だったそうだけど、荒井晴彦が撮るべき映画だと思います。作家としての映画になっていて、ある種の自画像が乗っかっている。佑に仮託して、自分の青春を撮ったわけじゃないと思うけど、アーティスト、シナリオライター、監督としての軌跡がきちっと出てるんじゃないかな。僕はその良さを感じる。もちろん、それが良いと感じる人も、悪い人もいるんじゃないかと。絶賛している人と、ちょっと……と言う人が分かれているのがいいと思った」と長年、互いのキャリアを知る関係であるからこその視点で評価した。
荒井は1997年の「身も心も」で監督デビューし、18年のブランクを経て2015年に「この国の空」を発表、そして今作に至る。「神代(辰巳)さんによく、監督やれって言われましたね。でも、藤田(敏八)さんだったり、根岸だったり、澤井(信一郎)だったり、この人たちに(脚本家としての)俺がいなくなっらどうなるんだと思ってた。3本目やってみて、もっと早く撮ればよかった。今は、若葉マークともみじマークが両方付いてる」と、根岸らとともに数々の傑作を生み出してきたロマンポルノやATG時代を振り返りながらコメントした。
「火口のふたり」は、8月23日から全国で公開。R18+指定。
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