映画.comでできることを探す
作品を探す
映画館・スケジュールを探す
最新のニュースを見る
ランキングを見る
映画の知識を深める
映画レビューを見る
プレゼントに応募する
最新のアニメ情報をチェック
その他情報をチェック

フォローして最新情報を受け取ろう

検索

香取慎吾が“ゼロ”から辿り着いた「凪待ち」 リリー・フランキー「“必然”だと思った」

2019年6月29日 10:00

リンクをコピーしました。
白石和彌監督作でタッグ!
白石和彌監督作でタッグ!

[映画.com ニュース] “問題作”を世に送り続けている俊英・白石和彌監督。いま新作がもっとも気になる映画監督のひとりと言っても過言ではない彼が、新たにタッグを組んだのが香取慎吾だ。完全オリジナルで描かれた「凪待ち」。そこにはどんな重厚な物語が待っているのか――香取と白石組常連のリリー・フランキーが、作品を通して感じた互いの魅力を語り合った。(取材・文/磯部正和、写真/間庭裕基

香取演じる木野本郁男は、日々を無為に過ごすギャンブル依存症の男。人生をやり直すために、恋人・亜弓(西田尚美)の故郷である石巻へ移り住み、人生の“再生”を試みるも、小さな綻びが積み重なり、なかなか思うようにいかない。

スクリーンに映し出される郁男は、これまでの明るく朗らかな香取のパブリックイメージとはかけ離れた、絶望をまとった男だ。その姿には「新境地」という安易な言葉が思い浮かぶが、香取は「そんなでもないんですけれどね」と笑う。

香取「子どものころからアイドルとして活動をしていたし、皆さんもそのイメージが強いのかな。でも僕としては、40代になってもらったひとつの役として、すんなり受け入れられたし、そこまで挑戦しようという意気込みでもなかったんです」。

香取慎吾
香取慎吾

20年以上前からラジオの構成作家と出演者という間柄で知人だったというリリーもまた、本作で香取が演じた役柄について、特別チャレンジングだとは思わなかったという。

リリー「もちろん、これまで見たことない役柄だなとは思いましたが、慎吾ちゃんがこういう役をやることへの違和感はさほどなかった。どんな役でも、自分に投影できるところを見つけられる。なんでもできる人ですからね」。

それでも、共演して香取の色気には圧倒されたというリリー。そこには香取のこれまでの人生経験が反映されているというのだ。

リリー「郁男から醸し出される色気って、慎吾ちゃんの人生が反映されていると思うんです。昔、小室哲哉さんが『キャリアは年数ではなく、場数』と話していたのですが、その意味では、慎吾ちゃんは半端ないですよね。誰も経験したことがないようなことを、嫌というほどやっているじゃないですか」。

リリーの話を聞いていた香取は「やっぱり……、(色気は)ありますよね」とニヤリ。続けて「これまでは、子どもな慎吾ちゃんというイメージが強かったと思いますが、もう30代も終わって40代に入りましたからね。しかも、1年半前に人生の大きな決断をした40代って、やっぱりちょっとは色気があると思うんですよ」と冗談を話すような口調ながらも、「場数」を踏んできたことは素直に認める。

香取が口にした1年半前の大きな決断――。そのことがあったからこそ、本作と巡り合えた。「僕は新しい道を歩いていこうと決めたとき、ゼロになろうと思った。まったく何もないところから、もう一度始めてみようと前に進んだんです」。ゼロからの再スタート、当然のことながら最初は「まったく先が見えなかった」と心情を吐露する。

しかし“ゼロから”と言っても、場数を踏んで培ってきたものは体内に蓄積されている。表現者としての香取を放っておくわけがない。才能あるクリエイターが集まり「クソ野郎と美しき世界」という作品で、香取、稲垣吾郎草なぎ剛は俳優として再スタートを切った。そして香取は次の一手で白石監督とタッグを組んだ。「このタイミングで白石監督とめぐり合えて、しかもリリーさんや吉澤健さんらとご一緒できたことは本当に大きかった」。

リリー・フランキー
リリー・フランキー

リリーも、人と人が出会う“タイミング”は人生を大きく左右するものだという。「慎吾ちゃんもクリエイターですが、タイミングってすごく大切なんですよ。キャリアを積んだ人が、フラットになってみようかと思ったときに、いま一番脂が乗っている白石監督と出会うんですから。こういうタイミングって、なかなか自分でどうにかなるものではない。その意味でもやっぱり“必然だな”と思いました」と持論を展開する。

香取に対して“色気”というキーワードが出たが、もうひとつリリーが感じていた資質が“肉体”だという。「近くで芝居をしていると、体温が変わるんです。シーンによって熱くなっているのか、ヒンヤリしているのか、感覚的に肉体を自在に扱える人なんです」。

こうしたリリーの指摘に対して香取も、思い当たる節があるという。「台本を読み込まないぶん、現場に入ってからセットやお芝居をする場所をしっかり見たいんです。例えばシーンのなかで、初めてテーブルを触るシーンがあるなら、本番まで触りたくないですし、逆に女性の共演者と接するときも、もし付き合いが長く、体の関係があるような間柄なら、マネージャーさんに断って、ハグをさせてもらったりします」と“肉体”で感じることを大切にしているようだ。

その香取の肉体的な芝居が存分に出ているのも本作の魅力だ。劇中、香取演じる郁男は、持て余した肉体を爆発的にスクリーンに叩きつけているように感じられる。リリーは「脚本を読んだときの印象の何倍も、慎吾ちゃんの肉体のすごさが見られます」と語ると、香取も「確かに日々血まみれでしたね。飛びかかって馬乗りになって殴って、殴られて……。映画の山場のようなシーンを撮った数時間後に、また殴り合いですからね」と笑う。

白石監督も香取の体の大きさを絶賛しており、その肉体を生かした、動きの大きなシーンが多くなっている。香取は「あまり自分の体のデカさって意識したことがなかったので、スクリーンに映えるというほめ言葉をいただけるのは嬉しいですね」と照れ笑いを浮かべていた。

「慎吾ちゃんの魅力がふんだんに詰まっている」と本作での香取の芝居を絶賛したリリー。ゼロからスタートする40代。以前は「嫌なことでも頑張らなければいけない」と思っていたというが、いまは「好きなことを突き詰めている人に憧れます」とリリーを羨望の眼差しで見つめる香取。年は違うが、互いに良いところに惹かれ、素直に称え合える関係性は、人と人とのつながりの理想形なのかもしれない。

フォトギャラリー

香取慎吾 の関連作を観る



Amazonで関連商品を見る

関連ニュース

映画.com注目特集をチェック

インサイド・ヘッド2の注目特集 注目特集

インサイド・ヘッド2 NEW

【世界でとんでもない異次元ヒット】大人がめちゃめちゃ泣いてるらしい→実際に鑑賞してきた

提供:ディズニー

逃走中 THE MOVIEの注目特集 注目特集

逃走中 THE MOVIE NEW

【家族でお出かけのプロが紹介する注目レジャー】酷暑のなか、涼しい映画館で「逃走中」はいかが?

提供:東映

お隣さんはヒトラー?の注目特集 注目特集

お隣さんはヒトラー? NEW

【設定が秀逸】隣に、ヒトラー激似の人が引っ越してきた。もしかして…本物…?

提供:STAR CHANNEL MOVIES

デッドプール&ウルヴァリンの注目特集 注目特集

デッドプール&ウルヴァリン

【壮絶なまでの絶賛を受ける超話題作】世界が大熱狂中の“イカれた面白さの強刺激作”!

提供:ディズニー

現在、全米第1位&爆ヒット中の映画がコレ!の注目特集 注目特集

現在、全米第1位&爆ヒット中の映画がコレ!

富士山よりデカく新幹線より速い“怪物” VS 生身の人類 勝つのはどっちだ――?

提供:ワーナー・ブラザース映画

映画館が最安500円になる“超・神サービス”の注目特集 注目特集

映画館が最安500円になる“超・神サービス”

知らないと損なオススメ情報、こっそり教えます

提供:KDDI

あのコはだぁれ?の注目特集 注目特集

あのコはだぁれ?

【映画.com激推しホラー邦画みいつけた】あのコに見つかったら殺される…映画館で極上絶叫体験

提供:松竹

劇場版モノノ怪 唐傘の注目特集 注目特集

劇場版モノノ怪 唐傘

【記憶を消してまた観たい】エグ…面白すぎでしょ…知識ゼロで観たら沼から這い上がれなくなった

提供:ツインエンジン

ディズニー好きは「泣かないの無理」の注目特集 注目特集

ディズニー好きは「泣かないの無理」

【この2人は誰?】ハートの女王やシンデレラの娘! 2人がタイムスリップ→若き日の親に会う物語

提供:ディズニー

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンの注目特集 注目特集

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

【映画.com編集長も激ハマり】「とても楽しい映画」 世界最速!?で登場したアカデミー賞有力候補作

提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

関連コンテンツをチェック

シネマ映画.comで今すぐ見る

ナイトサイレン 呪縛

ナイトサイレン 呪縛 NEW

チェコスロバキア出身の新鋭テレザ・ヌボトバ監督が、20年前に少女失踪事件が起きた村を舞台に、現代の魔女狩りを描いたホラー。 人里離れた村で暮らす姉妹シャロータとタマラは、母親の虐待から逃れるため入り込んだ森の中で、恐ろしい事故に遭ってしまう。20年後、消息を絶っていたシャロータは、ある出来事をきっかけに村に帰ってくるが、彼女を受け入れる者はいない。夏至祭が近づくなか、過去のトラウマと対峙するシャロータに対して村人たちは疑念を募らせていき、やがて彼女を魔女と疑って迫害するようになる。 「プリンセス:ルーパー」のナタリア・ジェルマーニが主演を務め、「アウシュヴィッツ・レポート」のノエル・ツツォルが共演。2022年・第75回ロカルノ国際映画祭で最高賞にあたる金豹賞、シッチェス映画祭2022で最優秀長編ヨーロッパ映画賞を受賞した。

ある閉ざされた雪の山荘で

ある閉ざされた雪の山荘で NEW

人気作家・東野圭吾が1992年に発表した同名ベストセラー小説を、「禁じられた遊び」の重岡大毅主演で映画化したサスペンスミステリー。 劇団に所属する7人の役者のもとに、新作舞台の主演の座を争う最終オーディションへの招待状が届く。オーディションは4日間の合宿で行われ、参加者たちは「大雪で閉ざされた山荘」という架空のシチュエーションで起こる連続殺人事件のシナリオを演じることに。しかし出口のない密室で1人また1人と参加者が消えていき、彼らは互いに疑心暗鬼に陥っていく。 オーディション参加者の中で1人だけ別の劇団に所属する久我和幸を重岡が熱演し、中条あやみ、岡山天音、西野七瀬、堀田真由、戸塚純貴、森川葵、間宮祥太朗が同じ劇団に所属する個性豊かな役者たちを演じる。監督は「荒川アンダーザブリッジ THE MOVIE」の飯塚健。

ダム・マネー ウォール街を狙え!

ダム・マネー ウォール街を狙え! NEW

SNSを通じて団結した個人投資家たちが金融マーケットを席巻し社会現象を巻き起こした「ゲームストップ株騒動」の実話を映画化。ベン・メズリックのノンフィクション書籍を基に「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のクレイグ・ギレスピーが監督を務め、前代未聞の事件の内幕をユーモアたっぷりに描く。 コロナ禍の2020年、マサチューセッツ州の会社員キース・ギルは、全財産5万ドルをゲームストップ社の株に注ぎ込んでいた。アメリカ各地の実店舗でゲームソフトを販売する同社は時代遅れで倒産間近と囁かれていたが、キースは赤いハチマキにネコのTシャツ姿の「ローリング・キティ」という名で動画を配信し、同社の株が過小評価されているとネット掲示板で訴える。すると彼の主張に共感した大勢の個人投資家がゲームストップ株を買い始め、21年初頭に株価は大暴騰。同社を空売りして一儲けを狙っていた大富豪たちは大きな損失を被った。この事件は連日メディアを賑わせ、キースは一躍時の人となるが……。 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のポール・ダノが主演を務め、ピート・デビッドソン、ビンセント・ドノフリオ、アメリカ・フェレーラ、セス・ローゲンが共演。

貴公子

貴公子 NEW

「THE WITCH 魔女」シリーズのパク・フンジョン監督が、巨額の遺産を巡って繰り広げられる攻防戦を予測不能な展開で描いた韓国ノワールアクション。 フィリピンで暮らす貧しい青年マルコは病気の母のため、地下格闘で日銭を稼いでいた。ある日、マルコはこれまで一度も会ったことのない韓国人の父が自分を捜していると聞き、韓国へ向けて旅立つ。マルコは飛行機の機内で、自らを「友達(チング)」と呼ぶ怪しい男「貴公子」と出会う。美しい顔立ちで不気味に笑う貴公子に恐怖を感じて逃げ出すマルコだったが、執拗に追われ徐々に追い詰められていく。 ドラマ「海街チャチャチャ」でブレイクしたキム・ソンホが映画初出演にして主演を務め、魅惑的かつユーモラスな貴公子を熱演。ドラマ「こんにちは?私だよ!」のカン・テジュがマルコを演じ、「君だけが知らない」のキム・ガンウ、ドラマ「ヘチ 王座への道」や映画「蒼き狼 地果て海尽きるまで」のコ・アラが共演。

PARALLEL パラレル

PARALLEL パラレル NEW

心に傷を抱える少女と、アニメの世界へ行きたい殺人鬼が織りなす心の交流を描いた異色のスプラッターラブストーリー。 幼い頃に両親から虐待されていた舞は、自身のつらい過去と折り合いをつけることができず、親友・佳奈とただ時間を忘れて遊ぶだけの毎日を送っていた。そんなある日、舞は美少女アニメキャラクターのコスプレ姿で殺人を繰り返している殺人鬼に遭遇する。舞に興味を抱いた殺人鬼は、正体を隠して彼女に接近。舞は自身の心の傷を、殺人鬼は自分の本当の姿を隠しながらも、2人は強くひかれあっていくが……。 舞役に「いつまでも忘れないよ」の楢葉ももな。監督は、大学の卒業制作として手がけたヒーロー映画「FILAMENT」が高く評価された田中大貴。第15回田辺・弁慶映画祭のコンペティション部門に出品され、映画.com賞を受賞。2022年9月、田辺・弁慶映画祭の受賞作品を上映する「田辺・弁慶映画祭セレクション2022」で上映。2023年7月に単独で劇場公開。

サン・セバスチャンへ、ようこそ

サン・セバスチャンへ、ようこそ NEW

ウッディ・アレン監督が、スペイン最大の国際映画祭であるサン・セバスチャン国際映画祭を舞台に、妻の浮気を疑う映画学の大学教授が体験する不思議な出来事を描いたコメディ。 ニューヨークの大学の映画学を専門とする教授で、売れない作家のモート・リフキンは、有名なフランス人監督フィリップの広報を担当している妻のスーに同行して、サン・セバスチャン映画祭にやってくる。リフキンはいつも楽しそうな妻とフィリップの浮気を疑っているが、そんな彼が街を歩くと、フェデリコ・フェリーニ監督の「8 1/2」の世界が突然目の前に現れる。さらには、夢の中でオーソン・ウェルズ監督の「市民ケーン」、ジャン=リュック・ゴダール監督の「勝手にしやがれ」の世界に自身が登場するなど、クラシック映画の世界に没入する不思議な体験が次々と巻き起こる。 アレン作品の常連俳優ウォーレス・ショーンがリフキンを演じるほか、ジーナ・ガーション、エレナ・アナヤ、ルイ・ガレルが顔をそろえる。

おすすめ情報

映画.com注目特集 7月26日更新

映画ニュースアクセスランキング

映画ニュースアクセスランキングをもっと見る

シネマ映画.comで今すぐ見る

他配信中作品を見る