「万引き家族」是枝裕和監督に藤本賞「映画は不思議な生まれ方、育ち方をする」

2019年5月31日 15:30

目覚ましい活躍を見せた映画製作者を表彰
目覚ましい活躍を見せた映画製作者を表彰

[映画.com ニュース]第38回藤本賞の授賞式が5月31日、都内のホールで行われた。生涯で269作品を残したプロデューサー・藤本真澄氏の功績を称え、目覚ましい活躍を見せた映画製作者を表彰するもので、「万引き家族」の是枝裕和監督が受賞。同特別賞は「翔んで埼玉」の若松央樹プロデューサー、奨励賞は「劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」の増本淳プロデューサー、新人賞は「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督にそれぞれ贈られた。

是枝監督は受賞の一報を受け、「プロデューサーがもらう賞なので、違うのではないかと懸念する返事をした」そうだが、前例があることを知らされた。さらに、同作のプロデューサーにも同様の思いを伝えたところ、「三谷(幸喜)さんももらっています」と促され翻意したという。

「デビュー当時は1本1本、当たるか当たらないか、次が作れるのかという不安が続いていたが、この5年くらいはプロデューサーチームとも気心が知れて分かり合える形で映画を作れている。映画は本当に監督だけではできないと改めて感じている」としみじみ。「万引き家族」は現在もロングラン中で、興収46億7000万円を突破したが、「内容的にもあまり広げなくていいと、興行のことを考えずにやった。スタートとゴールがこんなにも違って、映画は不思議な生まれ方、育ち方をすると思ったけれど、いい方に転んだから良かった」と安どの笑みを浮かべた。

藤本賞の舞台に初めて立ったのは、2009年に「歩いても 歩いても」の安田匡裕プロデューサーが特別賞を受賞した時。その年の3月に安田氏が亡くなったための代理出席で、「オリジナルにこだわる僕に、その面白さ、尊さを教えてくれた。安田さんにヒット作を撮る姿を見せられなかったのは残念だが、墓前に報告したい」と語った。

興収37億2000万円を超えるまさかの大ヒットとなった「翔んで埼玉」の若松氏は、「企画が通ったこと自体がまさかで、Gacktさんが高校生を演じてくれたことなど、興行も含めまさかの連続でした。極め付きが、この藤本賞です」と感無量の面持ち。昨年の日本映画で最高興収となった「劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」が映画初プロデュースだった増本氏は、「ちょっとつらかったのは、絶対に当てろよという空気がすごかったこと。何がヒットかという定義も分からないまま、公開から毎週のように目標が上方修正されてお腹の痛い日々が続いた」と苦笑交じりに振り返った。

なお、上田監督は新作「スペシャルアクターズ」のクランクアップと重なったため欠席。市橋浩治プロデューサーが代理受賞した。

(映画.com速報)

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