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「アベンジャーズ エンドゲーム」ヒットの理由は “競合作品”への見解も聞く

2019年5月23日 09:00

ディズニー・ジャパンの“キーマン”に聞く「アベンジャーズ エンドゲーム」

ディズニー・ジャパンの“キーマン”に聞く
(C)2019 MARVEL
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[映画.com ニュース] 世界歴代興行収入第2位に躍り出る超メガヒットを記録している「アベンジャーズ エンドゲーム」。アメコミヒーロー映画のヒットは難しいとされる日本でも、興収は50億円を突破している。一体、この快進撃の要因は何なのか。配給のウォルト・ディズニー・ジャパンでマーケティングを統括する目黒敦氏(チーフマーケティングオフィサー)に話を聞き、ヒットの理由を「名探偵コナン」など競合作品への見解もあわせて語ってもらった。

2008年の「アイアンマン」から19年の「アベンジャーズ エンドゲーム」まで、これまでに22作品が製作されているマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)。ヒーローたちの活躍というド派手なエンタテインメントに、人間としての懊悩、そして今日性を持つさまざまなテーマを盛り込み、拡大と収縮、軋轢と調和を繰り返し現在まで紡がれてきた。

「エンドゲーム」を「個人的な感想でいうと、最高でした」と褒めちぎった目黒氏。ヒットの要因を問うと「まずは作品が素晴らしかった」と切り出し、製作のマーベル・スタジオ社長ケビン・ファイギがけん引した長期戦略に言及する。

作品群は11年間におよび積み重ねられており、“大きな物語”を形成している。そしてその多くが、スーパーパワーを持つヒーローも我々と同じく弱さを抱える人間である、と説いている。観客は長い時間をかけてヒーロー(あるいはヴィランや脇役たち)に感情移入し、いつしか親近感を覚え、“フィクションの人物”だったはずが“実在する知り合い”とまで思うようになる。劇中で起こる出来事は、あたかも自分が経験したことのようであり、時に無上の喜びを感じ、時に心が千々に乱れる。その体験がMCU作品を“映画以上の存在”に昇華させ、世界的な熱狂を生んだという。


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「エンドゲーム」はMCUの中核をなす「アベンジャーズ」の完結編に位置づけられ、11年間の伏線をことごとく回収していくだけに、“上映時間11年”とも称されている。映画史に残るカタルシス全開のシーンが雨あられと押し寄せるため、感動を何度も味わうべくリピーターも後を絶たず、“シリーズ初心者”も多く来場しているそうだ。「主な観客は10代~30代の男性が多いですが、女性のグループもとても増えています。世界的なお祭りとも呼べる現象を目の当たりにして、『この映画を見ておかなければ』と来場されるお客様もいて、『エンドゲーム』から各ヒーローに興味を持ち『アイアンマン』『ドクター・ストレンジ』を見た、というお話も聞きました」(目黒氏)。

さらに世界興行収入で「タイタニック」(1998)を超えたという事実は、マーベルファンではない観客の行動変容をうながしたそうだ。「母親がレディースデーに見に行ってきた、という声も上がっていました。あのころ感動した『タイタニック』以上の興収ならば、どれだけ面白いんだろう、と興味を持ってもらえたようです」。

一方で日本でのヒットについて、目黒氏は「マーベル・スタジオはファンを喜ばせることを第1に考えています。だからこそ、心のこもったストーリーが展開できるのでしょう。そのことを日本のお客様に伝えるのが我々の仕事。(『アベンジャーズ』第1作公開の)2012年以降、ただひたすら日本で1人でも多くのお客様にお届けし、ブレイクさせたいと、ディズニー・ジャパン全体が取り組み、さまざまな角度からエンジンをブンブンふかした結果、ここにきてティッピングポイント(閾値)に到達した感覚があります」と明かす。

映画のみならず、キャラクターグッズの開発やテレビ放送など、ディズニー・ジャパン全体が継続して注力したことも大きな要因だ。グッズやファッションなどがいたるところで販売され、「MARVEL」のロゴやキャラクタービジュアルは、いまや見ない日がないほど日常に溶け込んでいる。タッチポイント(接点)を増やすことにより、遠く離れたアメリカのヒーローにも親近感が芽生えていく。親近感のつぼみは年数を追うごとに大きくなり、やがて愛情という大輪の花を咲かせたと言える。

「テレビ、ゲーム、テーマパーク、ライブエンタテインメントなど“360度の体験”により、MCUを好きになってもらうことができた。そして何より、マーベルファンが横にもどんどん広げてくれて、ムーブメントになっていったと感じています」とし、「このヒットは、狙ってできたわけではありません。『素晴らしい作品がある、日本の人々に魅力を伝えたい』。ただそれだけなんです。これだけ好きになった作品がヒットしてくれると、私たちもウルッとくる、感動するものがあります。そして、このSNS時代において、お客様とみんなで作り上げたヒットだと思っています。良いコメント、悪いコメント含めて参考にさせてもらっていますし、我々は作品をもっと広く知ってもらい、お客様と喜びを分かち合いたい」と、ファンへの感謝をにじませた。

また公開後の興行収入ランキングでは、「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」などと激しく火花を散らした。同作とは“掟破り”とも言えるコラボレーションを実現させ、映画ファンの度肝を抜いたことも記憶に新しい。「『名探偵コナン』も巨大なフランチャイズ。コラボレーションをした理由ですが、単純に楽しいじゃないですか。業界としてのシェアがどうだ、というのは置いといて、我々のカスタマーファーストという考え方からすると、お客様が映画を見るという行為をもっとワクワクするものにしたい。そうなれば、業界と作品にとっていいことだと思います」と、業界全体のベースアップの重要性に言及した。


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マーベル・スタジオが11年間積み重ねてきた大きな物語。多くの観客が、その作品とともに人生を歩んできた。ディズニー・ジャパンの社員も例外ではなく、素晴らしい作品を観客へ届けるため、ストレートな情熱を宿していった。長期間の継続的な施策の結果、「アベンジャーズ」シリーズは見逃してはならない“世界的なイベント”へと成長。今後、どのような展開が待ち受けているだろうか。製作のファイギは、すでに次の10年どころか、さらにその先の10年の構想が出来上がりつつあることを示唆している。

目黒氏「ケビンやマーベル・スタジオの宝箱から、何が飛び出してくるのか。ワクワクします。そして飛び出てきたものを、我々が日本でどう展開するか。機動力を持ちながらやっていきたいです。どんどん大きくしていきたいですし、さらに面白い世界を見せてくれるマーベル・スタジオは、会社的にも個人的にも楽しみです」

(映画.com速報)

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