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「アベンジャーズ エンドゲーム」応援上映に行ってみたらエモかった話

2019年5月15日 20:00

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アラサー男性編集スタッフの体験レポート
アラサー男性編集スタッフの体験レポート
(C)2019 MARVEL

[映画.com ニュース]世界歴代興行収入第2位に躍り出る超メガヒットを記録し、日本でも興行収入48億円に到達した「アベンジャーズ エンドゲーム」。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最大のヒット作となり、日本各地で応援上映が実施されています。ヒーローたちの大団円を応援したい! そう思った映画.comのアラサー男性編集スタッフ・Oが、応援上映に行ってきました。なかなかエモーショナルな体験だったので、レポートをお届けします。

※編集部注:本記事は重大なネタバレどころかラストシーンにまで触れています。作品を未見の方はご注意ください。

応援上映とは声援や拍手などが許可された興行のことで、今回Oが参加したのは日本橋での回。Dolby Atmosでしたが14日だったので割引があり、1300円で鑑賞できました。ちなみにOは、応援上映には「シン・ゴジラ」「帝一の國」を取材で体験したのみ。後ろ盾がない状態で参加するのは初めてのド素人なので、「SNSで報告されている、暴言を吐く人たちがいたら嫌だなあ」とドキドキしながら座席につきました。

また「エンドゲーム」の鑑賞自体はこれで3回目。初見時は序盤のトニー・スタークとスティーブ・ロジャースが「坊やを失った」「こっちも…」と言葉を交わすシーンから終わりまで、ずっと泣きっぱなしでした。

一息ついて場内を見渡すと、午後8時30分開始の回(終了は午後11時50分ごろ!)にも関わらず、約290の座席が6割ほど埋まっていました。客層は20代~40代前半の男女が満遍なく来場し、仕事帰りと思しきスーツ姿の方々や、1人で来ている女性の姿も。“応援上映ガチ勢”は少ないようでしたが、落ち着いた空気感が印象的でした。

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開始時間になると、まずは特別映像が流れます。諸々の注意事項を改めて説明し、クリント・バートンの姿とともに「一歩会場に入ったら、あなたもアベンジャーズです」という文言が映し出されると、いよいよ本編が始まります。

さあ、初っ端からフルスロットルで声援を! と思いきや、場内は静かなもの。クリントの家族が消滅しても、トニーが死にかけていても声援は飛び交わないし、ポップコーンを食べる魅惑的な音がセリフの間を縫って聞こえてきます。

そもそも、序盤は前作のショックを引きずっているため、はしゃぐ空気でもないですよね。とはいえ「もしもこのまま応援がひとつもなく終わったら、この記事ボツだなあ」とぼんやり考えていたところ、まばゆい閃光を放ちながら救世主がやってきました。その名は“キャプテン・マーベル”ことキャロル・ダンヴァース。

彼女が超然と登場するや、「出たー!」と拍手がワッと沸き起こりました。トニーとOの気持ちが一致した瞬間でした。沈痛で情緒的な第1幕(サノス打ち首、そして5年後へ…あたりまで)は比較的声援が少ないですが、スコット・ラングが戦線復帰しタイム泥棒の計画が進むと、会場は徐々にあたたまっていきます。

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スコットのバンに、今作“影のMVP”と称揚されるネズミが現れると、ドクター・ストレンジよろしく1400万605分の1の未来を知っている観客たちは一気に色めき立ちます。「ネズミ頑張れー!」「スイッチ押せー!」という声と笑いが、あちこちから飛びます。ローニンこと闇堕ちしたクリントの刀のぬぐい方を真似している観客の姿もありました。わかる、真似したくなりますよね。

ファンの記憶を縦横無尽に刺激するタイムトラベルに、それぞれの“推しヒーロー”が現れるたび、その名を呼ぶ声と拍手が起こります。すごい、歌舞伎みたいだ。見ず知らずの大勢と声援を送り、会場が行為的に一体となるような多幸感は、映画鑑賞の美しい側面をより輝かせているようでした。

最大の盛り上がりは、やはりサノスとの最終決戦に待っていました。キャプテン・アメリカ起死回生のムジョルニアの後、サムの「左を見ろ」をきっかけに、無数のゲートからヒーローたちが現れます。アラン・シルベストリによる楽曲「Portals」にのせ、キャップが「アベンジャーズ、アッセンブル」と万感の思いを込めて発すると、スピーカーからだけでなく客席からも雄たけびが上がりました。神話のような戦いの間中、声援は途切れることがなく、トニーの自己犠牲後はすすり泣く音がそこかしこから聞こえてきました。

物語は「It's Been A Long, Long Time.」をBGMに、存在を確かめるようにキスするスティーブとペギー・カーターの姿で幕を閉じます。ロバート・ダウニー・Jr.らのサインが映し出され、観客は“上映時間11年”とも言える歴史的作品群を紡いできた面々に、感謝の声援を送っていました。

今回参加したイベントは、劇場が揺れるほどのテンションではありませんでしたが、落ち着いた雰囲気がむしろ好印象。声を出さねばというプレッシャーも皆無で、気の向くまま自由に発声すればよく、マナー違反もなくストレスフリーで鑑賞できました。

また鑑賞中、自分の感動が増幅していくことを、ひしひしと感じていました。他人と拍手が重なれば、同じところで感動していると思えて嬉しい。だからこそ通常の上映よりも、観客同士が強く繋がっている感覚を覚えました。

そして応援を通じ、観客が時間をかけて積み上げてきた“思い出”が会場全体で共有される、MCU作品ならではの喜びも体験できました。大声援がのべつ幕なしに飛ぶ応援上映も楽しい(取材で経験しただけですが…)一方、落ち着いた「アベンジャーズ エンドゲーム」応援上映も深く心に残る経験でした。

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