強盗事件の実話を、役者と本人出演で描く「アメリカン・アニマルズ」監督が来日
2019年5月10日 16:00
[映画.com ニュース] 大学生4人が約12億円相当のビンテージ本強盗を企てたという実話を描いた「アメリカン・アニマルズ」の試写会イベントが、5月9日都内であり、来日したバート・レイトンが作品を語った。
事件を起こした本人たちを劇中に登場させるといった特異な手法、スタイリッシュな映像と音楽を用いた劇映画として製作された。レイトン監督は「アイデンティティを失った若者たちがファンタジーの世界に入り込み、行き過ぎてしまう姿を描いた。計画を企てるうちにファンタジー度が増すのですが、(実際の犯人が登場する)その瞬間、お客さんに実話だと気づいてもらうためにドキュメントを融合させました」とその意図を説明した。
映画の基となった、実際の事件については「ある記事で知り、なぜ大学生4人が、リスクを冒してまでこの不安な計画を実行したのかに興味を持った」という。そして、「まだ刑務所にいた4人に手紙を書き、その返事で彼らの事件の動機を知りひかれた。特別な人生を送らないといけないというプレッシャーに押しつぶされそうな若者たちを描こうと思った」と述懐。
強盗事件を起こした大学生4人を演じるのは、エバン・ピーターズ、バリー・コーガン、ブレイク・ジェナー、ジャレッド・アブラハムソンといった実力派若手俳優たち。「撮影前に役者と本人たちを会わせないようにした。直接会って、本人に寄せるようなことはしてほしくなかった」とこだわった。
完成した本作を鑑賞した実際の4人は「『真実を描いてくれている』という感想を持ってくれたようです」といい、「(強盗時に拘束された)図書館員も、この映画を見て彼らのことが許せると思ったそうです」と報告した。
「アメリカン・アニマルズ」は5月17日より東京・新宿武蔵野館ほか全国で公開。
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