TAKAHIRO単独初主演作で躍動!次世代キャスト&監督の特別座談会
2019年5月9日 16:00
[映画.com ニュース] 「渾身 KON-SHIN」「たたら侍」等で知られる錦織良成監督がメガホンをとり、EXILE TAKAHIROが単独初主演を務めた映画「僕に、会いたかった」が、5月10日から全国公開を迎える。
本作は、ある事故をきっかけに記憶を失った漁師の徹(TAKAHIRO)が、献身的に支える母や、本土からやって来た“島留学”の学生たちと触れ合いながら、事故の真相と向き合い、“自分自身”を見つけ出していくさまを描く。
劇中で“もうひとりの主人公”の役割を務めたのは、成長著しい若手注目株の山口まゆ、柴田杏花、板垣瑞生の3人。さまざまな思いを胸に島留学を選んだ高校生たちをみずみずしく演じ切り、作品に爽やかさと広がりを与えている。錦織監督のもと、等身大のキャラクターを演じ切った3人が訴える、「今だからこそ見てほしい」本作ならではの魅力とは? 錦織監督を交えた座談会は、4人の結束を感じさせる充実の内容となった。
山口、柴田、板垣は、隠岐島での撮影の日々を振り返り、「楽しかった」と口をそろえる。
中でも板垣は、「ずっとここにいたいって思いました」と島への愛着を明かし、「(完成品を見て)“見えない優しさ”が恋しくなりました。あの温かさは島に行かないとわからないけれど、この映画で少しでも伝わったらいいなと思います」と作品の“ヒーリング効果”について語る。
さらに、自分自身が島留学を“疑似体験”したことで、「新しい人生を見つける意味でも、島留学が一つのルーツになっていったらいい」と目を輝かせる。「環境も人もいいし、人生を挑戦できる場所だった。こういう映画がないと、島留学のことを知らなかったかもしれないです。だからこそ、この作品を通していろんな方に知ってもらいたいです」。
山口は、実際の島民との触れ合いの中で「自分の存在価値を感じることができました」という。「頼りにされることも頼りにすることもあるし、人との関わりが大事になってくるので、私はいていいんだって感じました」と劇中同様の経験をしたことで、ある変化が訪れたそうだ。
「(撮影時)、私は進学か仕事か悩んでいたのですが、この作品は将来を考えるきっかけになりました。民宿の方に相談したりしていました」(山口)。劇中では、“島親”と呼ばれる留学生のホストファミリーが親身になって悩みを聞き、協力しようとする姿が感動的に描かれるが、カメラが回っていない部分でも、温かな関係性が生まれていたようだ。
山口の言葉が示すように、この映画には“ウソ”がない。ゆえに、見る者の心にすっと染み入るのだろう。女優として、その“効能”をダイレクトに感じ取ったのが、柴田だ。
柴田は、「忙しい時間を日々過ごしていると、本当に大切なものって何だったっけって振り返ったときにわからなくなってしまうこともあるけれど、島の時間を過ごしたことで落ち着きました」と笑顔を見せる。
役者陣の語りに耳を傾けていた錦織監督は、「島に『ないものはない』っていうポスターが貼ってあった。ものすごく便利な時代に便利さとは別の最先端、生きていく上で一番必要なものがこの映画にはある」と熱を込めて語る。
「ニュースを見ていて、人々の助け合いが少なくなっているように感じます。便利だけれど、ぽかんて穴があいた感じがする。(隠岐島は)そういうのと真逆の島。島は病気になると本土よりリスクが高いけれど、人たちが支え合っている“目に見えない強さ”がありました」。
“今”の空気感を敏感にとらえた錦織監督は、「10代の子たちも生きづらさを抱えていると思うけれど、この映画を見て元気になってほしい。キャラクターたちの生き様を含めて、ふわふわした癒やしじゃなくて“攻めた”癒やしの映画です」と結んだ。
「僕に、会いたかった」は5月10日から全国公開。