岡田准一の超絶アクションに現場騒然! 実写「ザ・ファブル」緊迫の撮影レポート
2019年4月28日 12:00
[映画.com ニュース] 南勝久氏による人気漫画を実写映画化する「ザ・ファブル」の撮影風景が披露された。主演・岡田准一のクオリティの高いアクションに対し、スタッフらが度肝を抜かれるひと幕も。岡田自身は、「時代劇ではなく、現代劇でアクションをやることはすごく難しいことだと認識しています。それをどこまで今まで見たことのないアクションに近付けられるかということに、アクションチームや江口カン監督と日々チャレンジしている感じです」と明かした。
単行本累計部数320万部を突破し、2017年の講談社漫画賞(一般部門)を受賞した漫画を実写化。裏社会で天才的な殺し屋として暗躍し、“寓話”を意味する英語「ファブル」のあだ名で恐れられる主人公(岡田)が、「1年間休業し、大阪で一般人として普通の生活を送る。殺しは禁止」というミッションに挑む様子を、コミカルかつシリアスに描く。
撮影が行われたのは、関東近郊にある廃工場。地上から約10数メートルの高さに桟橋が設置され、その先端には小島(柳楽優弥)が椅子に座ったまま縛り付けられている。落下すればまず助からない。彼の奪還を頼まれたアキラ(主人公の偽名)が乗り込み、狂気の殺し屋・フード(福士蒼汰)と戦いながら救出を試みる。さまざまな人物の思惑と凶暴性がむき出しになり、クライマックスへと突き進んでいく怒涛のシーンだ。
あることをきっかけに、小島は桟橋の縁から椅子ごと落下していく。アキラはすさまじい速さで駆け出し、躊躇なくダイブすると小島を空中でキャッチ。桟橋にかけた1本のワイヤーに体を預けながら、空中ブランコの要領でスイングし、階下に見えた窓ガラスをぶち破って安全地帯に逃げ込む。作中でも最もパワフルなアクションのひとつだ。
数種の武術・格闘技インストラクター資格を持つ岡田なだけに、江口監督は「(そのスピードに)撮影カメラマンがついていけない時もあった」と舌を巻く。桟橋は原作には登場しない“映画オリジナル”のシーンだが、江口監督は「一番ヒヤヒヤしました」、柳楽も「撮影で本気で怖いと思ったのは久々です」と語るほど、危険と隣り合わせだった。
劇中のアクションはほとんどスタントなしで演じている岡田は、「世間的には分からないですけど、スタッフの方々には僕は動ける俳優と思われているみたいで」と笑う。殺陣師には「ボーン・アイデンティティー」などを手がけたアラン・フィグラルズ、スタントコーディネーターには「るろうに剣心」「亜人」などを手がけた富田稔が参加しており、日仏混合チームがアクションを構築している。
岡田自身もアクションへの意見を出し、本番直前まで積極的に議論を交わす。そんな撮影の日々は充実感に満ちているようで、「アクションを混合チームで作るというのはなかなかない経験ですが、互いのいいところを出し合って、いろんな要素が組み込まれたアクションになると思います。実は直前まで動きが決まってないこともあるので(笑)、そういう意味では瞬発力が求められる現場でもありますね。ただこれまで大きなケガもなく無事にこれているのは、本当によかったと思います」と晴れやかな表情だ。
江口監督は、そんな岡田への敬意をにじませる。「岡田さんは以前からお仕事をしてみたい俳優さんのひとりでしたが、彼のストイックさはこちらが勉強になることばかり。動ける人だとは分かっていたけど、ここまでとは! と驚かされました。岡田さんのアクションを早送りで撮っていると思われることが一番悔しい(笑)。それくらい彼のスピードはハンパないんです!」と感嘆の言葉を漏らした。
「ザ・ファブル」は、6月21日から全国公開。
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