有村架純、熊本のファンの熱気に心打たれる「一瞬にして心が緩みました」
2019年4月22日 09:00
[映画.com ニュース] 4月19~21日の3日間にわたって開催された「くまもと復興映画祭」の目玉となっているのは、ひとりの俳優にフォーカスを当て、その魅力を掘り下げていく特集上映。これまでに高良健吾、中井貴一、妻夫木聡、薬師丸ひろ子の特集が組まれた。今年は、若手実力派の有村架純が選ばれた。20日に「かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発」、21日に「ナラタージュ」が上映され、有村も駆けつけた。
両日とも会場は満席。大きな拍手と歓声で迎えられた有村は、その熱気に心を打たれ「一瞬にして心が緩みました」と笑顔がこぼれる。そんな和やかで熱気あふれるなか、同映画祭のディレクターである行定勲監督とのスペシャルトーク、観客とのティーチインが行われた。
今年は喪失をどう受け入れ、どう抗い、前に進んでいくのかを描いた作品が多かった。「かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発」もそのひとつ。行定監督は「一筋縄ではいかない家族のなかに、そのテーマが力強く、優しく描かれていました。喪失しても前進する、それは同映画祭が掲げる復興と重なります」と選出理由を語った。
同作は、熊本~鹿児島を走る肥薩おれんじ鉄道が舞台。有村の演じるヒロインが、ある理由から運転士を目指す感動の物語だ。本物の線路を使った撮影は、時間とタイミングが勝負となり「そういうなかで感情を保つことが大変でした」。また「有村架純が思う家族とは?」という観客からの質問には、「家族といっても色々な形があると思います。私自身は母子家庭で、母が私たち姉妹を育ててくれました。大人になった今は、毎日連絡は取らないですが、多くを語らなくても心はつながっている。いつまでも互いの幸せを願う、願ってもらう存在が家族だと思います」と答えた。
一方「ナラタージュ」は、行定監督作品。3年前の撮影に思いを馳せながら秘話を語り合った。「世界の中心で、愛をさけぶ」の後に、同じチームで「ナラタージュ」を映画化しようと進めていたそうだが、紆余曲折あり断念。それから10年後、有村架純という女優の出現で「彼女ならヒロインの泉を演じられる」とオファーに至った。なぜ有村だったのかについて、行定監督は「フラットなのに、心のなかにもの凄く熱いものを持っている。感情を大袈裟に演じない、抑えた演技のできる女優」だと絶賛する。それがよく現れているのが、泉が葉山先生(松本潤)の家を訪ねるシーンだ。「葉山先生の煮え切らない態度、中途半端な優しさにムカついたんでしょうね。そのシーンの撮影で、有村架純は無表情なのに、もの凄くブサイクな顔をしたんです。いい女優だなあって思いました。カットをかけた後、ブサイクな顔だったねと伝えたら、満面の笑みで『そうですか!』って。根っからの女優です」。
有村にとって「ナラタージュ」はターニングポイントになった作品でもあり、約3年前の撮影時をこう振り返る。「泉として過ごした日々は、もの凄くしんどくて、悶々としていて、気分の晴れない1ヵ月でしたが、同時に、これほど充実した日々を送れるなんて!という楽しさや達成感がありました。自分はどうしてこの現場に呼ばれたのか、需要はあるのか……、分からなくなる瞬間は今でもたくさんあります。だからこそ行定監督の言葉は本当に嬉しくて、もっと頑張りたくなります」と感謝を述べた。
3日目の最終日は、「ナラタージュ」に続いて、若手監督の作品「月極オトコトモダチ」「岬の兄妹」「オーファンズ・ブルース」を上映。そしてクロージングセレモニーでは、大西一史熊本市長が「震災直後、映画の力で熊本を元気にしてほしいと行定監督に頼んで、本当によかったと思います。復旧は行政がある程度できますが、復興というのは1人1人の覚悟と気持ちがないとできない。この映画祭は、自分も頑張ってみようかなという気持ちにさせてくれる、そんな活力をもらえる映画祭をこれからも続けていきたい。また来年お会いしましょう」と挨拶した。
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