太田慶監督作「桃源郷的娘」は“ひとりロマンポルノ・リブート計画”の1本だった!?
2019年3月10日 10:00

[映画.com ニュース] 川端康成の小説「眠れる美女」をモチーフに、老人の悲しい性と暴走する妄想力を描いたコメディ「桃源郷的娘」が3月9日、北海道・夕張市で開催中の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019」のオフシアター・コンペティション部門で上映された。舞台挨拶には、メガホンをとった太田慶監督が出席し、自らの意外な“職業”を打ち明けた。
老浮浪者が、公園のベンチで居眠りをしている若い娘に「最後の初恋」をした。だが、浮浪者は既に“男性機能”を失っており、娘を抱くことができず――生涯最後の恋を叶えるべく、浮浪者は突飛なアイデアを思いついてしまう。老浮浪者を怪演したのは、「コント赤信号」の小宮孝泰。「寝ているだけで金持ちになり、理想の恋人ができる」ことを夢見るお気楽な娘役を、AV女優で東洋ショー劇場の踊り子である川越ゆいが演じている。
「昨日から他のオフシアター・コンペティション部門の作品を拝見させてもらっているんですが、やたらとレベルが高い。その中で、もろ自主映画みたいな作品を見てもらうのは恥ずかしいのですが…」と恐縮しきりの太田監督。劇中には希望も絶望も抱くことをやめ、マハトマ・ガンジーを自身のアイドルとして崇める青年が登場する。プログラミング・ディレクターの塩田時敏氏から「監督的には、老人と青年、どちらの心情に近い?」と問われると「どれも自分っちゃ自分なんですけどね、私はもう若手監督として立つのも恥ずかしい年齢――ジャスト50歳なんです」と“老人”寄りだと答えた。

実はこの太田監督、現在日活で働いているそうで「映画の仕事をしているわけではなくて、基本はずっとデスクワークです。そして、日活といえばロマンポルノ。『日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト』というものが始まったんですが、第1弾以降進展がない。それだったら僕が勝手に撮って、ロマンポルノをやってしまおうと思ったんです」と告白。偶然にも「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の1本「牝猫たち」を撮り上げた白石和彌監督がコンペ部門の審査委員長を務めていることから「こんなことがあるのかとビックリしています」と驚きを隠せない様子だ。
「(日活では)映画製作に携わる部署に行けず、くすぶり続けていた」と話す太田監督に、塩田氏は「今回はR15指定にしてしまいましたが、もうちょっと“裸”を足すと日活が買ってくれるかもしれない。4本くらい作ってもいいじゃないんですか? ひとりロマンポルノ・リブート(笑)。」とアドバイス。同部門にノミネートされた「フェイクプラスティックプラネット」の宗野賢一監督が東映京都撮影所に務めているため「思わぬところで東映と日活の対決。どういう結果がでるのか楽しみ」と期待を寄せていた。
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019は、3月10日まで開催。
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