エマ・トンプソン、ジョン・ラセターと働かない理由を手紙で明かす
2019年3月3日 12:00

[映画.com ニュース] ジョン・ラセターのトップ就任に抗議するため、スカイダンス・アニメーション作品「ラック(原題)」から降板した英女優エマ・トンプソンが、スカイダンスのデビッド・エリソン最高経営責任者を含む同作の製作陣宛に、その理由をしたためた手紙を送っていたことが明らかになった。米ハリウッド・レポーターが伝えている。
ラセターは複数の女性社員からのセクハラ告発を受け、ピクサー・アニメーション・スタジオとウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオを半年間休職したのち昨年末に退社。だが今年1月、「スター・トレック」シリーズや「ミッション:インポッシブル」シリーズを手がけるスカイダンス・メディアが、新たに立ち上げたアニメーション部門のトップにラセターを招聘したことから、#MeTooや#TimesUpといったムーブメントに逆行するとして、エリソンCEOは矢面に立たされていた。
米ロサンゼルス・タイムズ紙が入手した手紙のなかで、「現在の社会的風潮においてこそ、先陣をきって環境改善に取り組むべき地位にある貴方と御社が、ラセター氏のような人物を雇用したこと自体が、私には理解できません」とスカイダンスを批判したトンプソン。降板したのは「複雑な諸々の事情から」としながらも、「長年にわたり、セクハラ行為を繰り返してきた男性のもとで働きたいと思う女性などいるわけがない。自身の会社の女性社員を見下し、過小評価し続けてきた人物が、会社を移ったからといって改心するとは思えません。新会社で働く女性たちだって、彼が敬意をもって接してくれたとしても、コーチングやセラピー、雇用契約書に定められた指示に従い“演じている”だけだと思わずにはいられないでしょう」とラセターを厳しく糾弾する。
また、セカンドチャンスを与えられてしかるべきとするラセター擁護派の意見に対しても、「セカンドチャンスだけならまだしも、何百万ドルという大金まで与えるのはいかがなものか。スカイダンスの社員がその代償を支払うのも、セカンドチャンスを与えるべきか否かについて、彼らの意見が反映されなかったことも間違っている」と猛反撃している。
トンプソンはさらに、ラセターによるセクハラ被害を告発したピクサー/ディズニーの女性社員らが、誰ひとりとして法的和解に達していない事実を指摘したうえで、「絶大な権力を持つ男性相手に声を上げた被害者の女性たちが、法的手段に訴えなかったからといって、セクハラ行為があった事実を打ち消すことはできないし、ラセターにキャリアを潰された女性たちが、その見返りに賠償金をもらっていないのも納得がいかない」と不満をぶちまけた。
「集団的な意識が高まりつつある大きな転換期」において、自ら降板することでメッセージを伝えたかったというトンプソンは、「相手がどう思っていようが、女性の体に触れるのは構わないという見当違いの権利意識は、一夜どころか1年かけても変わらないことは十分承知のうえ。でも誰かがそうした差別に対して声高に反対しない限り、私の娘の世代が享受すべき改革は期待できない」と力強く訴えた。
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