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是枝裕和&西川美和が語る“監督助手システム” 愛弟子・広瀬奈々子監督の評価は?

2019年1月17日 20:35

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(左から)是枝裕和監督、 広瀬奈々子監督、西川美和監督
(左から)是枝裕和監督、 広瀬奈々子監督、西川美和監督

[映画.com ニュース] 柳楽優弥が主演する映画「夜明け」の公開前夜祭トークイベントが1月17日、東京・新宿ピカデリーで行われ、メガホンをとった広瀬奈々子監督とともに、ゲストとして“師匠”にあたる是枝裕和監督、西川美和監督が登壇した。

秘密を抱えて逃げてきた青年“シンイチ”(柳楽)と、彼を偶然救った初老の男(小林薫)の物語。是枝監督、西川監督が立ち上げた制作者の“居場所”である「分福」に所属する広瀬監督。是枝監督は「(広瀬監督の)アルバイト先だったテレビ番組制作会社の社長から『書類で落とさずに会うだけ会ってくれ』と連絡がきたんです。普通はそんな風に送り出してくれないですし、そうやって背中を押されるこの子は何者なんだと思った」「(卒業制作は)1カット1カット、丁寧に場所を選んで撮影をしている。描かれている子どもが素晴らしかったけど、大人の描写は今ひとつ。面接の際に、その点を自分で分析できていた」と「分福」採用の決め手を話していた。

“愛弟子”広瀬監督を「永い言い訳」の監督助手に起用した西川監督は、「(当時は)非常に混乱しました。10年以上、全ての発言権、決定権、考える事をひとりで背負ってきたので、それに意見する者がいることに混乱しました」と述懐。「でも、実はそれって映画にとっては必要なこと。監督もそんなに万能ではない。うるさくてもそういう事をあえて言ってくれる人がいるのは豊かなこと」と発言すると、是枝監督は「ワンダフルライフ」撮影時を振り返る。「僕がやることに意見をするのは西川が最初だよね。現場だけでなく、脚本作りから参加してくれていた。良い意見を良いタイミングで――夜中にFAXが届くんですが、それは3つ褒めて、1つけなす(笑)。それに導かれて直したりしていました」と語っていた。

広瀬監督が苦悩したのは、脚本作り。「改稿を重ねるうちに変わっていた印象がある。最終的にはすごく良い着地をしたと思う」(是枝監督)と評価を受ける一方、西川監督から指摘された「回想シーンを入れた方がいいんじゃないか? あまりにも過去が潜り過ぎている」という意見がひとつの分岐点となったようだ。「どうやって回想を使わずに(過去を)表出できるか。セリフの反復などをちりばめながら、回想を使わない方法を考え出しました」と告白。そして、この“回想”という要素から、是枝監督の「そして父になる」の知られざるエピソードが飛び出した。

「実は回想シーンを書いていたんですけど、全部カットした(笑)。病院に駆けつけて、血のつながらない母親を見つけて、福山さん演じる男が文句を言って…みたいなシーン。新生児のいる病室だったから、赤ちゃんをたくさん集めてもらって、ちゃんと撮ったのに全く残らなかった。自分はやっぱり回想はやらない方がいいんだなと思った」と打ち明けた是枝監督。そして「人の映画の回想にもすごく厳しいですもんね(笑)」と西川監督からツッコまれると、「あんまり好きじゃないんですよね。奈々子の話を聞いていて思ったのは、僕も過去をどうやって“今”にちりばめられるかなと考えながら、脚本を書いているんだなということ」と自らの手法を明かしていた。

夜明け」は、1月18日から新宿ピカデリーほか全国で公開。

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