T・スウィントン、「サスペリア」で演じたカリスマ振付師の魅力を語る
2019年1月6日 18:00

[映画.com ニュース] 「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督の最新作「サスペリア」は、名門舞踏団「マルコス・ダンス・カンパニー」に潜む闇を描く意欲作だ。同作に出演する女優ティルダ・スウィントンが、自身が演じたカリスマ振付師マダム・ブランの魅力を語った。
イタリアンホラーの巨匠ダリオ・アルジェントの傑作「サスペリア(1977)」を、かねてファンだったというグァダニーノ監督が大胆にアレンジ。独ベルリンを拠点とする舞踏団「マルコス・ダンス・カンパニー」に入団するため、スージー・バニヨンは夢と希望を胸に米ボストンからやってくる。スージーは初のオーディションでマダム・ブランの目にとまり、瞬く間に重要な演目のセンターへと大抜擢されるが、やがて周囲で不可解な出来事が起こり始める。
神秘的でクールな容姿、知的な演技が魅力のスウィントンは、これまでグァダニーノ監督作「ミラノ、愛に生きる」「胸騒ぎのシチリア」で主演を務め、強い信頼関係を築いてきた。スウィントンは「もう覚えている限りずっと、私はルカと『サスペリア』のことを話し合って計画してきたの。長い年月をかけて試行錯誤をしたから、プロジェクトに深い安心があったし、撮影自体はとてもスムーズだったわ」と振り返る。
さらに自身の役どころについて、「ブランは芸術家ね。彼女は天才的舞踏家で振付師、カリスマ性があって、教師としても力を持ち、ダンサーたちに本物の愛や献身を呼び起こす」と分析。脚本を手掛けたデビッド・カイガニックは、マーサ・グラハム、マリー・ビグマン、ピナ・バウシュといった名だたる振付師を研究するだけではなく、振付師やオペラ演出家としても活躍するサシャ・バルツにも密着し、大きなカンパニーを率いるマダム・ブランの人物像を作り上げていったという。
一方で、スウィントンはマダム・ブランの隠された一面を明かし「彼女の葛藤は激しい。彼女はダンス・カンパニーの存続のために超自然現象と取引をするの。そして、そのための代償を支払うことになる」と語る。そして「アンビバレンスと孤独が、彼女の運命ね。ブランは魔術を用いることで深く自尊心を傷つけられるの。生き延びた彼女にとって、ベルリンの混沌とした状況が疎外感のもとになっている。美しく陽気なものは去り、あらゆる美しいものの鼻面を砕かなければならないの」と、意味深なメッセージを残した。
「サスペリア」には、ダコタ・ジョンソン、クロエ・グレース・モレッツも出演。2019年1月25日から全国で公開される。
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