「セックスよりも素晴らしい」クリストファー・ドイル、女優を美しく撮る醍醐味を語る
2018年12月8日 15:00
[映画.com ニュース] 「ブエノスアイレス」「恋する惑星」などで知られる撮影監督クリストファー・ドイルががジェーン・シュンと共同でメガホンをとった「宵闇真珠」が、12月15日から公開される。ヒロインはモデルとして注目を集めるアンジェラ・ユンが務め、オダギリジョーが共演する。その唯一無二の映像美で定評のあるドイルが、監督作の撮影を振り返った。
香港の片隅にある漁村を舞台に村を訪れた異邦人との出会いにより、世界を知る少女の物語。透き通るような白い肌を持ち、日光にあたると死んでしまう病気だと言い聞かせられ、太陽から肌を隠して生活するヒロインを幽玄な映像で捉えた。
「ライトやカメラで女優を美しく撮る、そうすることで彼女達を祝福するのが私の仕事です。それは自分にとってひとつの愛情表現で、セックスよりも素晴らしい(笑)。ほかの女優たちと同じようにアンジェラとの間には信頼関係があって、それは日常生活で得られるものとは全然違う関係でした。私が女優を愛することで、彼女の気持ちが私に伝わって、それを映像で表すことができるのです」
俳優陣への演出については、極力演技をしないように指示したそう。「特別なエネルギーを持っていて、歌舞伎役者のような大きい演技はしなくても、ただそこにいるだけで映画になってしまう役者がいます。そういう役者と、良い空間、良いストーリーがあれば映画になる」とアンジェラ・ユン。オダギリジョーを評価する。
そんなドイルについて、オダギリジョーは「僕たちの世代からすると、ウォン・カーウァイとクリストファー・ドイルって避けては通れない存在なんですよね。1990年代の映画の象徴というか、彼等の映画から本当にたくさんの刺激や影響を受けました。クリス(トファー・ドイル)の現場は、即興的なものやハプニングも含めて何でも受け入れて楽しむような、とっても自由で創造性豊かな現場でした」とコメント。
アンジェラ・ユンは「私は台本に従って演技をするだけですが、C・ドイル監督はライティングについて試行錯誤を繰り返していました。例えば、どの紙が最も光を効果的に映し出し最高の結果を出すか、様々な紙にライトを当てて確かめるんです。私にとって、そんな現場は初めてでした」と撮影を振り返った。
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