批評家絶賛のホラー「ヘレディタリー」 柳下毅一郎氏「今年見た中で一番怖い」
2018年11月8日 15:00

[映画.com ニュース]今年のサンダンス映画祭での発表後、批評家たちから絶賛レビューが相次いだホラー映画「ヘレディタリー 継承」の試写会イベントが11月7日都内であり、映画評論家の柳下毅一郎氏が作品を語った。
アカデミー賞作品賞に輝いた「ムーンライト」や、賞レースを席巻した「レディ・バード」など、設立6年にしてオスカーの常連となった気鋭のスタジオ「A24」の製作で、家長である祖母の死をきっかけに、さまざまな恐怖に見舞われる一家を描いたホラー。本作で長編デビューを果たしたアリ・アスターの監督、脚本、「シックス・センス」「リトル・ミス・サンシャイン」のトニ・コレットが主演。
「今年見た中で一番怖い。もう、ここでやめてくれ…となるイヤな映画」と感想を述べた柳下氏。昨今の映画やドラマでの、ホラージャンルの隆盛を認めつつ「この作品は今のはやりのホラーとは一線を画している。広い家の光の当たらない影の中に何かがあるのではないか、そういう雰囲気で怖がらせる演出がうまい」と作品の特徴を挙げる。
劇中の一家の邸宅内の場面は全てセットを組んで撮影されたそうで「この監督は、コントロールフリークのようで、ほぼ撮りたい全カットが撮影前に決まっていて、ヒッチコックの様に頭の中で映画が出来上がっているそう。それでカメラの動きに合わせたセットをスタジオに建ててもらったので、かなりぜいたく。日本の映画監督は嫉妬するのでは」と紹介。脚本については、監督の過去の短編作に触れながら「家庭内の関係を一風変わった形で描いていて、物語が嫌な方向に進んでいく。それが一貫しているのが気になる」と話す。
アスター監督は、影響を受けた作品としてニコラス・ローグ監督「赤い影」、ロマン・ポランスキー「ローズマリーの赤ちゃん」、ジャック・クレイトン「回転」などを挙げているそうで、柳下氏は「ジャンル映画のメインストリームではなく、外れにあり、ジャンルファンにしてみれば気取っているといわれそうな映画かもしれないけれど、ホラーの一部であり、ホラー映画を豊かにしてくれる作品。(リメイク版の)『サスペリア』も大変素晴らしかったが、怖さはこちらの方が上」と本作を評した。
「ヘレディタリー 継承」は11月30日から全国で公開。
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