「肉体の門」「東京流れ者」…映画美術の巨匠、木村威夫氏の展覧会が開催
2018年10月24日 18:00

[映画.com ニュース] 「肉体の門(1964)」「東京流れ者」といった鈴木清順監督の代表作、伊丹十三監督「タンポポ」、柳町光男監督「火まつり」、実相寺昭雄監督「帝都物語」など数々の傑作映画の美術を担当した日本映画美術の巨匠、木村威夫氏の生誕100年を記念した展覧会が、東京・京橋の国立映画アーカイブで開催中だ。
2010年の逝去から8年、「映画美術とは、人の情念を表現する仕事である」との言葉を残した木村氏は、1944年のデビュー以来60年以上第一線で活躍し、大手映画会社の大作から若手の自主製作作品まで、劇場公開された長編だけでも240本を超える作品に参加。個性の異なる名監督たちと組み、綿密な考証に裏付けられた大胆な発想力と、リアリズムと幻想の境界を自由に飛び越える柔軟性を発揮して、数々の名作誕生に貢献した。晩年には90歳で初の長編監督作「夢のまにまに」(08)を発表するなど旺盛に活動を続けた。
同館の濱田尚孝研究員は「キャリアが長く、作品が多種多様。エッセイを書くなど自ら発信し、映画以外の分野にもかかわっていこうとした人。また、多くの後進を育てた人でもある」と木村氏の功績を挙げる。
展覧会では、本人が描いた図面やデザイン画などの貴重な資料を通じて、第1章 生い立ち~演劇活動から映画の世界へ(1918~41)、第2章 大映時代(42~54)、第3章 日活時代(54~71)、第4章 フリーの時代(71~2010)、第5章 監督作品と文筆活動という5つのチャプターで構成され、美術監督として独自の世界を築き上げた木村氏の思考の軌跡をたどる。
会期は19年1月27日まで。毎週月曜、12月24日~19年1月3日は休館。また、11月6~25日には、本展に合わせ、木村氏の美術監督デビュー作「海の呼ぶ聲」(45)をはじめ、20作品の特集上映が行われる。
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