大森立嗣監督最新作「タロウのバカ」 主演は15歳の注目モデル・YOSHI
2018年10月2日 08:00
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[映画.com ニュース] 「まほろ駅前多田便利軒」「さよなら渓谷」などで知られる大森立嗣監督が手がけるオリジナルの最新作「タロウのバカ」の主演に、15歳のYOSHIが抜てきされたことがわかった。YOSHIは演技未経験だが、オフ・ホワイト、ヘルムート・ラング、X-GIRL、NIKEなど世界的ファッションブランドのモデルとしても活躍する注目の新人。主人公タロウに扮し、役者デビューを飾る。
物語は、一度も学校に行ったことがない少年タロウの姿を映し出す。社会や家族、何も頼るものがなく、ただただ自由に生きる“常識の枠にとらわれない少年”という難役のため、オーディションを経てもキャスティングは遅々として進まなかった。そんななか、大森監督は「その存在を少し気にかけていた」というYOSHIに、面識もないままアプローチし始める。
YOSHIはルイ・ヴィトンのメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任したバージル・アブロー氏と出会ったことをきっかけに、モデル活動を開始。8月に雑誌「Forbes JAPAN」が実施した、次代を担う30歳未満のイノベーター30人を表彰する「30 UNDER 30 JAPAN」で、The Arts部門の1人に選出されている。
大森監督は初対面の瞬間、その異端のオーラに「タロウだ」と確信。YOSHIもオファーを快諾し、「タロウのバカ」の製作は動き出した。演技未経験のため入念なリハーサルを行い、9月中旬からクランクイン。YOSHIは初めての映画撮影にも臆することなく、そして緊張感みなぎる風景を楽しむように、はつらつとした演技を披露している。
YOSHIは「この話を頂いたとき、台本の内容も強烈だったので、家族には最初は反対されたんですが、僕の気持ちとしては今回、興味本位でやってみる、って感じですね」と振り返る。初めての演技には「不安よりも楽しみの方が大きい」といい、「演じることがどういうことかは、まだわからないところが多いんですけど、自分のできる限りの表現をしていきたいと思っています。大森監督の第一印象は“変態”ですね(笑)。僕は『男は変態であるべき』と勝手に思ってるんですよ。そっちの方がかっこいいんじゃないかって、男として。映画の完成が今から楽しみですが、とにかく、頑張ります! 自分の座右の銘は『今、この瞬間を生きろ』です」と自然体で話している。
さらに大森監督は、「今回主役に選んだのは、演技経験の全くないYOSHIという15歳の少年です。300人以上の中から選ばれた少年です。でも500人に会っても1000人に会っても、出会えなかったかもしれません。これまで映画をやってきてこんな子どもを見たことがありません。私にとって彼は純粋な驚きでした」と明かす。「決して物分かりのいい、躾のできた、行儀のいい子どもではないです。だからこそ彼は、今この世界で闘っています。僕はここにいると叫んでいます。僕は振り向かない。振り向くのはあなたたちだと言っているようです。彼の純粋な眼差し、未完成な体で駆け回る姿、叫び、笑い、涙する姿がこの映画に命を注ぎ込みます。彼の純度がスクリーンを通してやがて観客に、感動を呼び込むと確信しています」と自信をみなぎらせている。
「タロウのバカ」は、2019年に公開予定。
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