「インディ」に「アベンジャーズ」?「いつだってやめられる」監督、ヒット作の要素詰め込んだ!
2018年5月25日 17:00
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[映画.com ニュース] 長編デビュー作がイタリアでスマッシュヒットを記録し、いきなりシリーズ化が決定。国内外で旋風を巻き起こした痛快コメディ「いつだってやめられる」シリーズを手がけたシドニー・シビリア監督が来日し、映画.comのインタビューに答えた。
本シリーズは、欧州で深刻な社会問題となっている、研究者の海外転出を題材にとっている。第1作「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」では、社会からはじき出された学者たちが、合法ドラッグ製造で人生の一発逆転を狙う姿をコミカルな筆致で描き、多くの人々に共感を与えた。続く「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」(5月26日公開)は、前作で警察に逮捕された研究者たちが、今度は警察と取り引きし、捜査に協力する姿をパワーアップした映像で描き出す。
製作国こそイタリアだが、このほど公開される「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」を見ていると、80・90年代のハリウッド全盛期の作品のような懐かしいワクワク感がこみ上げてくる。それもそのはず、1981年生まれのシビリア監督は「ゴーストバスターズ」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ターミネーター」で育ってきたから。
シビリア監督は、「この3作は、自分が影響を受けてきて、まさにこの作品を作るにあたっても参考にした作品だよ(笑)」と朗らかに語りつつ、「80・90年代のアメリカ映画が大好きなんだ。マーベル作品もね。イタリア式の喜劇もよく見ていたから、じゃあ自分の好きな映画を作るときに、好きな要素をミックスしてみようと思ったんだよ。自分は映画学校で本格的に映画を勉強してきたわけじゃないから、映画の脚本を書くときには“自分が何を見たいか”を第一に考えるんだ。テンポを重要視したのも、自分が最初に退屈しちゃう人だから。言いたいこともたくさんあったから、ギュッと濃縮してテンポ感を強めたんだ」と笑顔を浮かべる。劇中にはサイドカー付きのバイクも登場するが、「あれは『インディ・ジョーンズ』さ(笑)。小さいころからあの映画に出てきたサイドカーが大好きで、いつか乗ってやるぞと思っていたんだ。今回登場したのは、そういう理由だよ」と声を弾ませる。
さらに、「このシリーズは3部作になっているんだけど、それぞれを全く違うジャンル映画にしようと思ったんだ」と語るシビリア監督。「1作目は、ほぼほぼ古典的なイタリア式コメディだった。2作目は、アクション・コメディとして作ったよ。クエンティン・タランティーノにも影響を与えた70年代のイタリアの刑事ものやマカロニ・ウエスタンの要素を入れたんだ。クライマックスの列車上でのアクションシーンは、まさに西部劇だよね。CGがなかった時代の作品にならって、僕らも実際に俳優に列車の上に立ってもらい、職人技のアクション映画を目指したんだ」と大掛かりなアクションシーンにも挑戦した。
生き生きと自作について語るシビリア監督は、「映画が好き」というフレッシュな輝きに満ちている。だが、ただ好きなものを入れただけでは、これほど多くの人々の心をつかむことはできなかっただろう。シビリア監督は、「本作が世界で受け入れられたのは、やっぱり“笑い”をもたらす映画だったからじゃないかな」と自己分析する。製作においては意識的に“笑い”を研究し、ストーリーに反映させていった。「笑いをもたらすために大事なのは、観客が『今、何が起こっているか』が分かっているかどうか。出来事が明らかになっているからこそ、ズレたことが起きたとき、その意外性に笑いが生まれる」と語るシビリア監督は、“ギャップ”や“意外性”以前に、“分かりやすさ”が不可欠だと説く。
その方法論が凝縮されたのが、中盤に用意されている学者たちの見せ場となるシーン。全メンバーが、夜の道路をさっそうと歩いているクールな演出にも関わらず、なぜか見る者の笑いを誘う。くだんのシーンを振り返ったシビリア監督は、「『アベンジャーズ』っぽい隊列なのに、中身がこの人たちっていうコントラストが面白いよね」とほほ笑む。これもまた、これまでの鑑賞人生で培った“超大作の画作り”が染み付いているからこそだろう。本作で研究者たちを題材にしたのも、そうした“笑いの哲学”によるものだ。「研究者ってある種の分野ではものすごく頭が良いし、すごい知識を持っているんだけど、それ以外のことは何もできなかったりして、そのギャップが面白い。それなのに、職を見つける難しさを語った映画の中で、彼らを描いた映画がなかったんだ」。
シビリア監督によれば、「すごく優秀な頭脳を持っているのに、社会で冷遇されている」研究者たちを描いたことで、思わぬ“効能”があったのだとか。「1作目が世に出たとき、プロモーションで世界中を回ったんだけど、どこに行ってもチケットはソールドアウト。なんでだろうと思ったら、イタリアから流出した研究者たちがこぞって見に来ていたからだったんだよ! 彼らが『自分たちのことを話してる映画なんだ』と話題に上げて、拡大していったんだ。彼らの『もっと語ってくれ』という声もあり、2作目、3作目と話を広げていった経緯もあったんだよ」。
「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」は、5月26日から全国公開。前日譚(たん)となる「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」は、6月23日からヒューマントラストシネマ有楽町にて開催予定の特集上映「Viva!イタリアvol.4」内で上映。
(C)2017 groenlandia srl /fandango srl
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