吹き替え担当・千葉雄大「ピーターラビット」は“みんなが思い描く映画”じゃない!
2018年5月17日 15:00
[映画.com ニュース] シリーズ累計発行部数2億5000万部を記録した書籍を、初めて映画化した「ピーターラビット」が、5月18日から公開される。“かわいいだけじゃない”をテーマに、いたずら好きでやんちゃなウサギ、ピーターの冒険をユーモアたっぷりに描き、世界興行収入は約3億3000万ドル(5月15日現在)の大ヒットを記録。続編も決定した人気作に“日本代表”として声を吹き込んだ千葉雄大に、話を聞いた。
「ANNIE アニー」のウィル・グラック監督がメガホンをとった本作。青いジャケットがトレードマークのうさぎ・ピーターと、心優しい女性ビア(ローズ・バーン)が暮らす家の隣に、神経質な男性マグレガー(ドーナル・グリーソン)が引っ越してくる。マグレガーがビアにひかれていることに気づいたピーターは、恋のライバルを都会に追い返そうとする。
「帝一の國」「兄に愛されすぎて困ってます」「亜人」など話題作に立て続けに出演し、「映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活」では声の出演を果たすなど、多方面に活躍している千葉。本作では、無鉄砲なピーターにみなぎる“若々しさ”を声で体現し、ピーター役として主題歌にも挑戦。「個人的には、100パーセント(力を)出せた」と胸を張る。
オリジナルの声優は、「はじまりのうた」のヒロインの親友役や、「ワン チャンス」「イントゥ・ザ・ウッズ」などで知られるジェームズ・コーデンが務めており、少々低めの声質。千葉は「同じようなものを求められていたら、僕は選ばれない。国によって作品の色をつけるのは吹き替えの良いところだと思うので、今回僕としては女性から見ても共感されるキャラクターや、やんちゃな部分を意識して演じました」と冷静に分析しつつ、役作りを振り返る。
千葉は「冒頭は、皆さんが思い描いているようなファンタジックな雰囲気なんですが、いきなり『これはそういう映画ではありません』とぶった切られる」と作品に流れる“ギャップ”についても言及。「大人の方が見てもすごく癒されるのはもちろんなんですが、今回割と客観的に自分の作品を見られて、『あ、意外と泣けるかも』と思ったんです。エンターテインメントの要素が全部詰まっていて、すごく自然に描けている。個人的に思ったのは、“疲れてるときに見たいな”ということ。何の気なしに見たらすごくブラックなジョークがあって、大人の方はジョークの中身を面白いと思えるだろうし、子どもは子どもでピーターの表情や、ドタバタの喜劇を楽しめる。みんなに刺さるところがたくさんあるんです。本当に悪い人が出てこないから、エンドロールまですごく幸せな気持ちで見られる」と見る者を問わない本作の娯楽性を熱弁する。
ピーターのキャラクターにも共感したといい、「ピーターは表情も豊かですし、耳で表情が分かるところもかわいい。でも、マグレガーとの戦い方が結構アグレッシブで、かわいいだけじゃないんです。ウサギなんですが、好奇心旺盛な青年を見ているような気持ちになりました」と語る。この“好奇心旺盛な青年”という部分は、千葉本人にも通じる部分だろう。「前もって言われてはいなかった」という歌唱シーンについても、「せっかく言っていただいたので、やらせていただきました」と思いきって飛び込んだ。「うまくはないです(笑)」と謙そんするが、「ピーターが『僕も歌っていい?』という風に始めるので、最後までピーターに対して責任が持ててよかったです」と俳優としての責任感ものぞかせる。
ピーターと自身の共通項については「僕はそんなに引っ張っていく、リーダーシップを取るタイプではない」と自己分析しつつ、「ただ思い立ったら行動に移したりとか、ちょっと打算的だったりとか、そういう所は共感できました」とも。「ピーターは、結構理不尽な作戦を立てたりするじゃないですか。そこで皆が付いてくるのは、ピーター自身に魅力があるからだなって思って。そこが似てるって言いたいわけじゃないですけど(笑)、そこはすごくいいな、って思いました」と笑顔を向けた。
「ピーターラビット」は、5月18日から公開。
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