永瀬正敏&岩田剛典、役作りで“山ごもり”「虫と共存していました」
2018年4月26日 15:30
[映画.com ニュース] 河瀬直美監督がメガホンをとり、永瀬正敏とフランスの名女優ジュリエット・ビノシュがダブル主演を務めた映画「Vision」の完成報告会見が4月26日、都内のホテルで行われ、河瀬監督と永瀬をはじめ出演の夏木マリ、岩田剛典、美波、テーマ曲を手がけたジャズピアニスト・小曽根真氏が出席した。
世界中を旅しながらエッセイを執筆しているフランス人女性のジャンヌ(ビノシュ)は、あるリサーチのため奈良・吉野を訪れる。そこで、杉の木が連立する山間で生活している山守の男・智(永瀬)と出会い、大自然のなかで言葉や文化の壁を超えて心を通わせていく。
河瀬監督とは3度目のタッグとなった永瀬は、開口一番「昨日、(今作が)誕生しました」と報告。劇映画10本目となった河瀬監督も「30年の歴史のなかで、この時代にこの映画を誕生させたことを誇りに思っています」と胸を張った。さらに永瀬は「昨日、試写がありました。毎回河瀬監督とご一緒すると、見た後に席から立ち上がれなかったり、樹木希林さんを抱きしめたりするんですが、今回は帰ってからどんどん震えてきてしまって。結局寝られず、徹夜で来ました」と明かし、「今日はジュリエットさんはいないんですが、それはまあ、次の機会に会えるといいですね」と期待を込めた。
今作は河瀬監督の生まれ故郷である奈良県でオールロケを敢行。永瀬は、撮影を「“河瀬メソッド”といいますか。劇中に出てくる(山中の)家に、クランクインの2週間くらい前から、可愛い犬と暮らさせていただいた」と話し、「役作りというか、血液や心を入れ替える作業を丁寧にやらせていただいた。山守の人たちのお話を聞いたり、チェーンソーの講義なども受けましたね。彼(岩田)は特殊伐採の訓練も受けていましたね」と思いを馳せた。
また、河瀬監督作初参加となった岩田は「いろんな洗礼を受けました。演じるのではなく、生きるということを監督から教えてもらった」と振り返る。「衣装合わせでは、同じ会場に夏木さんや森山未來さんがいらっしゃっても、ご挨拶に行けないんです」といい、「役のなかで会わない人には口もきくな、目も合わせるな、と。そういう取り組み方は初めてでした」と新鮮な驚きを明かした。
岩田も“山ごもり”を経験しており、「クランクインする1カ月前から森に住んでくれと言われていたんですが、ツアー中だったので流石に物理的に難しかった」と苦笑しつつ、「朝起きたら、顔にカメムシが3匹ほどついているような。虫と共存していましたね。でも、早々に風邪を引いちゃいまして。その場所から少し下山したところの民宿をお借りしました。演じるのではなく、根付いて暮らすことを切り取る撮影手法は刺激的でした」としみじみ語る。河瀬監督から「『三代目』に帰ったら、メンバーに心配されたんだよね」と話を振られると、「『大丈夫?』って。顔つきも変わっていたみたいで、『本当の森の人になっているよ』と言われました(笑)」と告白していた。
「Vision」は、6月8日から全国で公開。
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